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「攻撃的2番」にバントの選択肢は?大味化する日本野球に抱く懸念。

8/24(土) 11:41配信

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 この場面が国際試合、たとえば東京五輪の決勝の舞台であったら世論はどうなっていたのだろうか。試合後、ひとりで考え込んでしまった。

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 8月13日、東京ドーム。北海道日本ハム対千葉ロッテの一戦。

 6回表、0-1でリードされた千葉ロッテは、先頭の荻野貴司が中前安打で出塁し無死一塁のチャンスを作ると、打席に売り出し中の「攻撃的2番打者」レオネス・マーティンを迎えた。

 7月26日に入団会見を行い、その当日に初出場。この打席まで17試合に出場し、68打数20安打、6本塁打、15打点、打率.294とセンセーショナルな“日本デビュー”を果たした新外国人選手。

 一見、好機が訪れたようにも感じたが、結果として千葉ロッテはこの場面、何も動くことができなかった。

ロッテベンチが下した「強攻策」。

 初球を狙ったマーティンの打球が一塁手・清宮幸太郎のミットに鋭いライナーとなって収まると、一塁走者・荻野が帰塁できず一瞬にして併殺が完成。千葉ロッテは絶好の同点機をつぶすことになったのだ。

 この試合、この場面までの千葉ロッテのヒットはわずか2本だった。連打が期待できない展開を踏まえれば、まずは同点。ここは送りバントが定石に思えた。

 だが、千葉ロッテベンチが出した答えは「強攻策」。結果としてこれが仇となった。

 この場面、ベンチが「強攻」に出たのにはひとつの伏線があった。

選択肢を奪ったバントミス。

 これよりちょうど一週間前の8月6日、ZOZOマリンスタジアムでのソフトバンク戦。2-2で延長戦に突入した10回裏、千葉ロッテの攻撃で、先頭の荻野がショートへの内野安打で出塁。前出の試合同様、無死一塁の好機を作った。

 次打者も同じマーティン。1点入ればサヨナラ勝ちになるこの場面でベンチからはすかさず犠打のサインが出た。

 しかし、初球のストレートをマーティンがバントでファールにしてしまうと、3球目の真ん中高めのストレートもバントがキャッチャーへの小フライとなって凡退した。結果として走者を進塁させることができなかった。

 続く鈴木大地の初球で、一塁走者の荻野が盗塁を試みたがこれも失敗。千葉ロッテはこの回、無得点に終わってサヨナラの好機を逸した。

 つまり13日の試合では、マーティンに犠打のサインを出さなかったのではなく、出せなかった。いわば、消極的な選択ということになる。

 北海道日本ハムベンチもそうした経緯を察知したのか、この場面では内野がチャージをかける素振りがまるで見られなかった。「バントはない。強攻でくる」。そう決めこんでいたように見えた。

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最終更新:8/24(土) 11:41
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