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ヒマラヤの奥深く、500人の人骨が散らばる湖「スケルトン・レイク」の深まる謎

8/25(日) 19:00配信

クーリエ・ジャポン

インド・ヒマラヤの山間、標高5000メートルを超える位置にひっそりと存在するループクンド湖は、通称「スケルトン・レイク」と呼ばれている。その名が示す通り、周辺には約500とも推測される夥しい数の人骨が散らばっており、雪解けの季節になるとそれらがむき出しになるのだ。

第二次世界大戦中の1942年、インドの森林警備隊がたまたま発見して以来、この人骨の正体についてはいくつかの説が存在した。

インド侵攻中に命を落とした日本軍、あるいは戦地から戻る途中のインド兵士たちだという説、もしくは王と踊り子の一団が神に襲われ死亡した、などの説が唱えられたが、長年真実はわからないままだった。

しかし数年前、考古学者らのグループがこれらの人骨を調査したところ、9世紀頃、殺人的な雹によって命を落とした旅の一団のものであると結論づけられた。

「スケルトン・レイク」の謎は、これで一旦の解決をみたかに思われていた。

同じ場所で様々な人種が「死に続けた」? 

ところが最近、この説が不充分であることを証明する調査結果が明らかになった。

考古学者や遺伝子学者、その他専門家らを含む28名の国際研究者チームは、ループクンドから採集した37人分の人骨のDNA解析と放射性炭素年代測定を実施。8月20日、その結果をオープンアクセス誌「ネイチャー・コミュニケーション」に発表した。

それによると、人骨の死亡時期には大きなずれがあることが判明。大半は7~10世紀頃に亡くなったと考えられるが、中には19世紀初頭に亡くなった者もおり、両者の間には約1000年の隔たりがある。人種にも違いがみられ、前者は現代インド人と同じ遺伝的系統を持つが、後者はギリシャなど地中海周辺に起源を持つ人々と考えられている。

「信じられないことです。我々が調査した人骨の3分の1は、この地域の人間としては非常に稀な人種系統なのです」

そう話すのは、ハーバード大の遺伝子学者であり、今回の論文の上席著者の一人、デイヴィッド・ライクだ。「以前よりも一層謎は深まりました」と彼は言う。

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最終更新:8/25(日) 19:00
クーリエ・ジャポン

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