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《ストライキ続行中の佐野SA》”解雇部長”がベテラン従業員たちの心を掴んだ理由

8/25(日) 20:45配信

文春オンライン

 8月14日から現在でも続いている東北道・佐野サービスエリア(上り線)の前代未聞のストライキ騒動。 既報の通り 、その中心となっているのが、昨年5月に総務部長に着任した加藤正樹氏(45)だ。8月13日に加藤氏が運営会社「ケイセイ・フーズ」を“不当解雇”されたことで、従業員たちが一斉蜂起したのだ。

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ストライキ突入前の“知られざる戦い”

 加藤氏とともにストライキをしている支配人のI氏が語る。

「社長や以前いた総支配人T氏は私たちや取引業者のみなさんを完全に下に見ていました。ですが、加藤さんは違ったのです。僕たちをプロフェッショナルとして扱ってくれました。自分から挨拶をしてくれるし、年上に対して敬語を使ってくれる。しかも彼は新しい販売戦略やメディア活用などで佐野パーキングエリアの知名度もあげてくれたんです」

 謙虚な人柄や丁寧な仕事への向き合いを見て、従業員は加藤氏を信頼するようになったという。しかし、従業員らがストライキを起こしたのには別の理由がある。ここに至るまでには”加藤氏と経営陣との戦い”があった。

 加藤氏本人が語る。

エアコンも設置されない室温40度の灼熱職場

「店舗には30~80歳代の従業員が働いていますが、多くは60歳以上の高齢者です。しかし10年前に厨房のエアコンが故障して以来、ずっと空調設備がなかった。佐野ラーメンをつくる調理場なんて、蒸気も湯気もすごくて、夏場の室温は常に40度以上。50度を超えるような場所もありました。このままでは死人が出てしまう。今までにも折に触れて私が総支配人T氏に対して要望を出してきたのですが、『従業員を甘やかせるだけだ』とエアコンが設置されることはありませんでした」

 今年6月上旬、その事情を知った加藤氏が猛暑を前に、同社社長の岸敏夫氏(61)に直接陳情を申し入れた。

「この環境では従業員が体調を崩してしまうと訴えましたが、社長は渋っていました。だから、もし会社がエアコンの導入を決断しないなら、私が自費でエアコンを買うと申し入れた。すると『会社の体面があるのでそれはダメだ』『初期費用の安い銀行のリースなら』とエアコン設置の許可がやっと出たのです。これで猛暑のなかでも仕事に集中できると、従業員一同胸を撫で下ろしました」

 しかし歓びのときは長くは続かなかった。エアコン費用の見積もりや工事の日程を詰め、今か今かとエアコン導入を待ち侘びていたなか、予期せぬ事態が起きる。

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最終更新:8/25(日) 22:12
文春オンライン

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