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考えろ!ではムリ…部下を「思考停止」させない方法は?

8/25(日) 11:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

日本企業は、長い間「年功序列」の縦社会を貫いてきました。しかし、AI時代が到来した今、社員1人1人の思考力・発言力が、会社経営において最も大切な要素となっています。そこで本記事では、上場企業から中小企業まで幅広く経営支援を行っている森琢也氏が、部下を「思考停止」させない方法について解説します。

「トップの意思決定」頼りの時代は終わった

AI時代の到来により、従来以上に個人や組織の「考える力」が求められています。環境の変化するスピードが増し、トップの意思決定だけを頼りにした組織運営は今後ますます難しくなっていくでしょう。たとえば、震災時の顧客対応で話題になったディズニーリゾートのように、メンバー1人1人に裁量を与え、困難な状況下でも各人が主体的に考え、判断・行動する組織は1つの理想像です。

しかし、社員や部下に対して「考えろ」と指示や指図をするだけでは、なかなか理想の状態には近づきません。コーチングの観点を用いて、1人1人が思考・行動するように導くにはどうしたらよいのかを一緒に考えてみましょう。

◆問い続ける個人、組織

アップルの故スティーブ・ジョブズ氏が2005年6月に米スタンフォード大学の卒業式で行った有名なスピーチのなかで、「17歳から毎朝必ず、“もし今日が最後の日だとしても、今からやろうとしていたことをするだろうか”と自問していた」、というエピソードを紹介しています。ジョブズ氏が挑戦を続けた背景には、日々の問いかけがあったのです。

もし、ジョブズ氏と同様に、毎日自分に良質な問いかけを続けると、みなさんのこの先の10年が大きく変わる可能性があります。問い続けるとは、すなわち、思考し続けることです。たとえば、「1億円の売上げをあげたい!」と「1億円の売上げを上げるには?」の違いは、前者は目標や意気込み、後者は問いかけです。目標を掲げて意気込むだけでは人間は思考しません。実は、掲げるよりも問い続けたほうが、思考が巡り、気づきやひらめき、そしてアクションが引き出されるのです。

スポーツ界の事例を紹介します。早稲田大学ア式蹴球部(ア式蹴球とはサッカーの別称である「アソシエーション式フットボール」に由来する)が2018年に関東大学1部リーグに復帰(昇格)し、新シーズン開幕前に「なぜ、大学でサッカーするのか?」というTVCMを撮影しました。映像のなかでは、「大学からプロを目指すのか?」「試合に出られない選手にチームを強くするアイデアはあるか?」「プロに勝つ戦術は?」など、選手(学生)たちの肉声による様々な「問い」が続きます。

たとえば、「なぜ、大学でサッカーするのか?」という問いは、高校卒業後にプロになる道も狭まり、勉強も遊びもあるなかでサッカーに取り組む理由を問うています。この問いに向き合うことで、「ただなんとなく……」という惰性を排し、目的思考を磨くことができます。

実際に外池監督は、選手たちに何かを押し付けるのではなく、問い続ける指導を実践しました。そして、選手たち自らが問いを発し、思考する習慣を身に付けた結果、単調なパス練習の時も、厳しい走り込みの時も、また試合に出られない時も、「なぜ自分たちはこれをやるのか?」「チームが勝つためにはどうしたらいいのか?」を考え続けたそうです。そして、練習の質を高め、チームとしての一体感を高めた結果、1部リーグ復帰1年目で優勝という快挙を成し遂げました。

上記の2つの例から、「問い」を発することで思考が深まり、個人や組織が磨かれていくことがわかります。言い換えると、「考えろ」と叱咤するだけでは、社員は考えるようにならないということです。経営者やリーダーは良質な「問いかけ」を活用することで、個人も組織も自ら考え、動き出すのです。

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最終更新:8/25(日) 11:00
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