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久保建英、マジョルカ入団の舞台裏。一度はマドリー残留に傾きながら、レンタル移籍を決断させた2つの理由【現地レポート】

8/25(日) 17:26配信

SOCCER DIGEST Web

なぜバジャドリーではなく、マジョルカを選んだのか?

 久保の武者修行先には、バジャドリーとマジョルカの2つの選択肢があった。ここで重要なカギを握った人物が、マジョルカのCEOマヘタ・モランゴだ。マドリーのゼネラルディレクターのホセ・アンヘル・サンチェスと久保サイドに頻繁に連絡を入れながら、マジョルカに移籍するメリットを伝えて説得を試みた。

 一方のバジャドリーも一度断られた後も、再度アプローチをかけていた。バジャドリーは、マドリーのレジェンドでもある元ブラジル代表FWのロナウドがオーナーを務めているが、それが久保の心を動かす決め手とはならなかった。

 バジャドリーは現時点で久保とポジションが重なるホルヘ・デ・フルートスをはじめ、ハビ・サンチェス、アンドリー・ルニン、マドリーから3人の選手をレンタルしている。ロナウドとマドリーのフロレンティーノ・ペレス会長との良好な関係を利用して、手当たり次第にカスティージャの有望株にレンタルの打診をしているのが実情で、彼らにとって、久保はそのひとりでしかなかった。
 
 対照的にマジョルカはこの俊英の獲得を最優先事項に掲げ、モランゴCEOは入団した暁には中心選手として起用する構想まで明言した。さらに昇格2年目のバジャドリーがセルヒオ・ゴンサレス監督の下で昨シーズンのチームを土台に組織作りを進めているのに対し、昇格したばかりのマジョルカはまだチームが固まっていない状況にある。当然、出場機会を求めて移籍を考えている18歳にとって、魅力的に映ったのはマジョルカのほうだった。

 マドリーの上層部も当然そうした事情は把握しており、こうして久保のマジョルカ入りの流れは加速していった。

 極言すれば、モランゴからビセンテ・モレーノ監督までマジョルカは総力を挙げて獲得に動いていたのに対し、バジャドリーはロナウドによる独断のオペレーションの域を出なかった。レンタル移籍を決意した時点で、久保がマジョルカを選んだのは、もはや自明の理だったのだ。

文●セルヒオ・サントス・チョサス(AS紙マドリー番記者)
翻訳●下村正幸

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最終更新:8/25(日) 18:20
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