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去りゆく新幹線とリニアの隆盛。各地で与党・自治体・鉄道会社が対立

8/25(日) 8:32配信

HARBOR BUSINESS Online

フリーゲージトレインの導入を断念

 ところが、そのフリーゲージトレインの技術開発が頓挫してしまう。車両の製造コストが大幅に増加することや安全性が確立されていないことを理由に、‘17年にJR九州がフリーゲージトレイン導入の断念を表明したのだ。そして新鳥栖~武雄温泉間をフル規格で整備することを求めた。そうなれば、佐賀県にとって新幹線建設の大前提が崩れたということになる。

 「佐賀県は兼ねてからフル規格での整備に反対の意思を明らかにしており、与党検討委にも再三それを伝えていた。ところが、今年8月に与党検討委はフル規格整備を決定してしまった。

 それで佐賀県が『約束が違うから新幹線建設には同意できないし、とうぜん金は出せない』と反発しているわけです。ならば国がその分も負担すれば、と思うかもしれませんが、ほかの沿線自治体はルール通りに負担しているのに佐賀県だけ負担しないで済むとなると、明らかに不公平。“ごね得”の印象も与えていしまいます」

自治体によって異なるメリット

 こうして佐賀県と与党検討委の間での対立が深まってしまったのだ。そして巻き込まれたのが長崎県。長崎の立場からすると、武雄温泉で在来線から新幹線に乗り継がなければならないのではメリットは小さい。

 そこでフリーゲージトレインが実現しないならばフル規格での整備を求めるのが当然だ。さらに、フル規格での整備が実現すれば山陽新幹線から、つまりは大阪方面から長崎まで乗り換えなしで行くこともできる。

 そうしたメリットが失われ、さらに今まで在来線特急で乗り換えなしだったのに新幹線ができたおかげで乗り換えアリとなったら、利便性すら損なわれる。

「つまり、九州新幹線西九州ルートをめぐる問題を簡単にまとめれば沿線地域によって新幹線整備による恩恵の度合いが異なるのに費用負担は一律で決まっていることが要因で対立が生まれてしまっているということです。各自治体の長が自らの利益を求めて声を上げるのは当然のことで、一概に責めるわけにはいきません。

 むしろ重要なのは、一昔前ならば地元土建業者への工事発注などに伴うプラス効果も踏まえて新幹線建設は歓迎される傾向にあったところ、今ではシビアに考える自治体が増えているということではないでしょうか」(境氏)

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最終更新:8/25(日) 8:32
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