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韓国「GSOMIA破棄」に正当性が乏しいこれだけの理由

8/26(月) 7:30配信

クーリエ・ジャポン

韓国政府が予想に反し、日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄すると決定した。「日本との信頼関係が崩れたため」としているが、実際のところは文在寅政権内のスキャンダルから国民の目をそらすため、対立する保守派の実績を全否定するため、との見方も否めない。韓国政治に詳しいNHK「国際報道2019」の池畑修平キャスターが、「GSOMIA破棄」決定の深層を読む。

日本側のロジックを逆手に取った

表向き、理屈は通っているのだ。

韓国のGSOMIA(軍事情報包括保護協定)破棄のことである。

青瓦台(韓国大統領府)は、破棄という予想外の決定を下した大きな理由として、日本の安倍政権が「安全保障上の懸念」を掲げて韓国に対する輸出管理を強化し続けたことを挙げた。

とりわけ、日本側の措置の第2弾、「ホワイト国」と呼ばれてきた輸出手続きの優遇対象国から韓国を除外すると決めたことに激しく反発している。いわく、「日本が安全保障の面で我々を信頼できないとして輸出規制をかけるなら、輸出入品目の管理より遙かに強固な信頼関係が必要な軍事機密情報のやり取りなど、できるわけがないではないか」と。

日本側の措置やロジックを逆手に取った形だ。

また、韓国側の度重なる対話の呼びかけに日本側が応じなかったことも破棄の理由に挙げている。とりわけ、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が8月15日の「光復節」の演説で、対日批判を抑えて対話による問題解決を呼びかけた(しかも事前にそうした演説内容を日本側に伝えていたという)にも関わらず、安倍政権が「何の反応も見せず、ありがたいという言及もなかった。国家的な自尊心まで毀損するほどの無視で一貫し、外交的欠礼を犯した」(金鉉宗・国家安保室第2次長)と受け止めたことが決定打になったとしている。

確かに、文大統領の演説に対して、河野外相は「(徴用工問題をめぐる)国際法違反状態を是正するリーダーシップを発揮することを望む」と述べるにとどめ、さして評価する姿勢を見せなかったことから、韓国国内では「国家元首への礼を欠いている」という反発が出た。

このように、理屈は通っているのだ。表向きは。

しかし、韓国内の保守派と進歩派の果てしなき権力闘争、いわゆる「南南葛藤」という韓国近代史の通奏低音も含めて考察すると、今回のGSOMIA破棄の決定は、正当性に疑問符がつきまとう。

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最終更新:8/26(月) 7:30
クーリエ・ジャポン

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