ここから本文です

がんになっても働き続ける できることから試行錯誤

8/26(月) 7:47配信

NIKKEI STYLE

がんと診断された後も、働き続けたいと考える人は多い。収入を得られるだけでなく、仕事をすることで、社会とのつながりが感じられたり、生きがいを得られたりするからだ。とはいえ、がん患者が仕事と治療を両立できる環境は十分に整っていない。がんになった後も、安心して働くためにはどうすればいいだろうか。

自身もがんになったライター、福島恵美が、がんになっても希望を持って働き続けるためのヒントを探るシリーズ。前回「働き続けたいがん患者 医療・職場の情報共有で支える」では、国立がん研究センターがん対策情報センターがんサバイバーシップ支援部長の高橋都さんに、がんと就労の問題における課題を聞いた。後編では、治療と仕事を両立するための職場での工夫や患者の心構えを伺う。

■まずは話をしやすい職場の雰囲気づくりを

――高橋さんは、国立がん研究センターがん対策情報センターの「がんと共に働く 知る・伝える・動きだす」プロジェクトの中心メンバーとして活動されました。これは2014年から始まった、がんに特化したビジネスパーソン向けのウェブサイトで、治療と仕事を両立した方々や支えた職場関係者が事例として紹介されています。このプロジェクトの集大成として2019年5月に「がんになっても安心して働ける職場づくり ガイドブック」大企業編、中小企業編ができました(ウェブ上でダウンロード可。)。ガイドブックは企業向けに作成されたのですね。

経営層や人事・労務担当者向けのガイドブックです。サイトと連動したかたちで、5年間のプロジェクトのエッセンスをまとめました。

これから取り組もうとする人事労務担当の方は、まず「どういう制度を作ればいいか」をお考えになることが多いようです。ただ、このプロジェクトに参加し、ガイドブック作りにも協力してくださった企業関係者の方々の間では、「制度を作るよりも前に、話をしやすい職場の雰囲気づくりが大事だ」という声が多く挙がりました。がんは労災ではなく私傷病[注1]ですから、病気と分かった従業員が病気を職場に伝えることを前提として、職場のいろいろな対応が始まるからです。まずご本人から職場に相談してもらうことが第一歩なのです。

とはいえ、がんと診断されたことは、なかなか言いにくいものです。けれども、職場に普段から話しやすい上司がいたり、相談できる窓口があったりすれば、病気を伝えるハードルが少し下がるでしょう。

1/3ページ

最終更新:8/26(月) 12:15
NIKKEI STYLE

記事提供社からのご案内(外部サイト)

ライフスタイルに知的な刺激を。
生活情報から仕事、家計管理まで幅広く掲載
トレンド情報や役立つノウハウも提供します
幅広い読者の知的関心にこたえます。

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事