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泣いていたシャイな錦織も変わった 松岡修造が語る「失敗してもOK」のジュニア指導論

8/26(月) 10:33配信

THE ANSWER

「全米オープン開幕特別インタビューvol.3」―松岡氏が思う“子供の可能性”の伸ばし方

 昨今、指導の在り方が問われるスポーツ界。未来を担うジュニア年代の指導者は、どうあるべきなのか。日本テニス協会男子ジュニア強化プロジェクト「修造チャレンジトップジュニアキャンプ」を主宰。WOWOWで連日独占生中継される全米オープン(26日開幕)で、現地から解説を務める松岡修造氏が「THE ANSWER」の単独インタビューに登場し、ジュニア年代の指導について“修造節”で熱く語った。

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「負けて、お前らは悔しくないのか!」「そんな気持ちでプレーするならやめた方がいい!」

 テニスファンでなくとも、松岡氏がこんな熱い言葉でジュニア選手に指導をしているシーンを一度は見たことがあるだろう。舞台となっているのは日本テニス協会男子ジュニア強化プロジェクト「修造チャレンジトップジュニアキャンプ」。ジュニア世代の育成・強化を目的とし、松岡氏が現役を退いてから立ち上げたプロジェクトだ。ここから多くの才能が男子テニス界に羽ばたいていった。

 難しい世代を相手に、松岡氏はどんな意識を持って、子供と向き合っているのか。

「このジュニアキャンプに来るのは、世界のトップに行きたいという夢を持っているジュニア選手たちです。ただ、この年代、特に12、13歳くらいはどんなに上手い子も(体の成長差などで)負ける時があるもの。すると、子供たちは急にテニスで守りに入ってしまったり、何のためにテニスをしているのか分からなくなったり、好きだったテニスが悪い方向に行ってしまう。そういう時に僕らがしなければならないのが“気づき”です。子供自身に気づかせる、ということは大事なことだと感じています。相手の心の中に入っていき、今まで出さなかったくらいの叫び、本心を僕らに出してもらわないと変わらない。それを引き出すのは僕の得意分野です。

 それはジュニア選手にとっては体も心も相当きついです。テニスは実際にボールを打ち合い、プレーをしながら会話ができるところが、やりやすいところ。子供たちに叱咤激励を飛ばしながら、ボールを追わせる。『もうダメだ』と思ったところから、さらにボールを追わせる。子供たちはがむしゃらになって最後は叫びながらボールを追う。その後の子供たちの顔つき、目の輝きが全く違う。何かに気づき、そして一つ壁をぶち破って自信もついている。ただ単に追い込み、叱るのではなく、追い込み方、叱り方もそれぞれの子供たちのバックグラウンドなどを事前に情報収集し、メンタルケアスタッフなどと相談して、子供たちに合わせて見極めています」

 この合宿から旅立った一人が何を隠そう、錦織圭である。説明するまでもない、世界のトッププレーヤー。11歳で出会った当初を、松岡氏は思い返す。「錦織圭と同じ才能を持った選手に出会うことはそうめったにない。そう思わせるくらい、テニスの天性の才能を子供の頃から持っていた」。しかし、同時に課題があったことも事実だ。

「ものすごくシャイな子だったということ。参加ジュニアの中でも特に大人しく、表現力も乏しかったですね。やはり、世界を目指そうと思った時、テニスで海外をツアーで回っていくには表現力やコミュニケーション力がとても大事なのです。そこがないと無理なんです。だからこそ、錦織選手にはテニスの技術云々よりも、表現力をつけさせるためのメンタルトレーニングを相当しました。あの頃の圭にはとても辛かったトレーニングだと思います」

 一方で、世界のトップで活躍する可能性を感じていたからこそ、技術指導に関しては明確に線引きしていた。「テニスの技術的なところは触っていけない。僕は世界46位(現役時代の最高ランク)の人間だから」と言う。

「錦織選手がジュニアの頃から持っていた一番の武器は戦術。このタイミングでこのボールが来たらどう打つべきかという選択はあの頃から上手かった。他のジュニア選手には『この時はここに打つ』と戦術を教えていく。ただ、圭に対してはそれができない。僕より選択が上だったから。圭から学んでいった部分もあります」

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最終更新:8/26(月) 16:52
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