ここから本文です

あおり殴打事件「ガラケー女」の罪 知っておくべき犯人蔵匿・隠避で逮捕される基準

8/26(月) 11:00配信

デイリー新潮

あおり運転の同乗者が気をつけなければならないこと

 ここで、万が一、あおり運転の同乗者となってしまった場合のことを考えてみよう。

 あおり運転とは、車間距離を詰める、幅寄せ、クラクションでの威嚇などの危険行為をさす。これらはもともと道路交通法で禁止され、「車間距離保持義務違反」など罰金以上の刑が設けられているものもある。さらに、「暴行罪」や「危険運転致死傷罪」「殺人罪」に該当する場合もありうる。

 そんな“犯罪行為”である、あおり運転の車に同乗しながら、運転手を警察に出頭させなかった場合、黙っていたことは罪になるのだろうか。

「犯罪や犯人・逃走者の存在を知っていても、単なる不作為は、検挙・告発の義務を負う警察官などでない限り、『隠避』とはみなされません。ただし、警察官に話を聞かれたときなどに、積極的に嘘を言ってしまうと『隠避』となる可能性があります」(古橋弁護士)

 不作為、つまり「何もしない」ことは犯人隠避にあたらず、積極的に隠れ場所を与えたり、逃走を助けたりしなければ、罪に問われることはなさそうだ。

 喜本容疑者が匿ったのは「交際相手」だったが、配偶者や子どもなどの「家族」だった場合、犯罪者として警察に突き出すのはさらに抵抗があるだろう。家族を匿った場合も同様に犯人蔵匿・隠避の罪に問われてしまうのだろうか。

「犯人蔵匿罪、犯人隠避罪には、親族による場合の特例が法定されています。すなわち、犯人の親族がこれらの者の利益のために犯したときは、その刑が免除されます。『親族』の範囲は民法により定まっており、日本国籍を有するものであれば、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族です。犯人が親族の場合には、適法な行為に出られないという親族間の人情を考慮し、犯罪自体は成立するものの、裁量的に刑の免除事由としたものです」(古橋弁護士)

 家族が犯人として追われることになった時は、さすがに匿っても仕方ないとされているようだ。とはいえ、あおり運転は危険な犯罪行為。ドライブレコーダーが普及した昨今では、その様子が撮影、公開され社会的に大きなダメージを負うことも多い。結局は、あおり運転を「しない」「させない」ことが重要だ。

週刊新潮WEB取材班

2019年8月26日 掲載

新潮社

2/2ページ

最終更新:8/26(月) 11:00
デイリー新潮

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事