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マツダの第6世代に「大戦略」は存在したか?

8/26(月) 17:00配信

日経ビジネス

前田:「このパフォーマンスの車であれば、僕の中で描いてきたSHINARIのデザインと完璧にシンクロするな」と。だからあの三次での出来事って僕にとってすごく大きかった。

編集Y:クルマの中身、「SKYACTIV TECHNOLOGY(以下、スカイアクティブ)」と、魂動デザインは、前田さんと金井さんとの会話を通して深いところで響き合ってはいたんでしょう。でもそれが明確に、技術とデザインとしてがちっとつながったタイミングというのは、2010年の夏、8月の終わりだった。

前田:そうですね。自分が第6世代に試乗して、すぐ後にSHINARIと「魂動デザイン」をイタリアで公開して。

編集Y:SHINARIが会場の喝采に迎えられたのが8月30日。2日前、同じ8月の28日に金井さんは第6世代の先行試作車をアウトバーンで試乗して、アクセル全開で某ドイツ車をぶっちぎって、「これなら勝てる」と、雄叫びを上げていた。

前田:ああ、TPVのドイツ試乗会ですね。

●「復活の夏」は偶然の産物か?

編集Y:ちょっと文学的に言えば、フォードの支配下に置かれ、リーマン・ショックで痛めつけられたマツダの、いわば「復活の夏」だった。

前田:そう、あそこまでぴったり合ったのはある意味偶然なんだけど。技術もデザインも、目指している方向性が一緒だったというのが分かった日、ですよね。

編集Y:しつこいんですけれど、やっぱり、たまたまというには、あまりにうまくタイミングが合い過ぎていて、「本当に偶然か」と疑ってるんですけれど。実は計算ずくだったのではないんでしょうか。

前田:マツダの物づくり全体に大きな戦略があって、それに従ってデザインも、スカイアクティブのパワートレイン(エンジン)も、全部そこに向かっていく……。

編集Y:ですよね?

前田:本来はね。でも、そうじゃなかったね。

編集Y:(ガクッ)

前田:いい話にしてもいいんだけど、当時は、みんなそこまで計算ずくでやる余裕がなかったはずです。個別にはみんな頑張っていたんだけど。

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最終更新:8/26(月) 17:00
日経ビジネス

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