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「グリーン・ニューディール」の実現が難しいのは党利党略ではない。問題は送電網ができないことにある

8/27(火) 18:12配信

WIRED.jp

米民主党の議員グループが公表した温暖化対策の決議案「グリーン・ニューディール」が2月に上院で否決されるなど、その先行きが党利党略ゆえに暗礁に乗り上げているようにも見える。だが仮に民主党が政権を握ってグリーン・ニューディール政策が推進されたとしても、それ以上の困難が待ち受けている。それは送電網を巡る問題だ。

富豪のポケットマネーでも解決する?

今年に入り、民主党のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員とエド・マーキー上院議員は、ある決議案を米連邦議会に提出した。それは2030年までに温室効果ガス排出ゼロを達成し、最終的には米国で供給される動力を再生可能エネルギーのみにすることを目指すというものだ。このいわゆる「グリーン・ニューディール」決議案は意欲的な内容であるため、民主・共和両党から可決を阻まれる要素を含んでいる。

しかし、この先グリーン・ニューディールが議会の支持を得られるとしても、その実現のためには最大の政治的、経済的、技術的な課題に対処しなければならない。その課題とは送電線だ。数百、もしかすると数千マイルに及ぶ送電線の問題が存在するのである。

太陽光エネルギーや風力エネルギーを米国の送電網に組み込む際の基本的な問題は、この種のクリーンエネルギーの創出に最適な地域がたいていかなりの遠隔地にあることだ。中西部の大平原グレートプレーンズでは、風力エネルギーが豊富に得られる。モハーヴェ砂漠では年間360日の日照がある。ただ、両方とも米国で最もクリーンエネルギーを必要とする複数の大都市から数千マイルとは言わないまでも、数百マイルは離れている。

風力発電所や太陽光発電所から電力を送るとなると、州をまたぐ高電圧の送電線をもっと建設しなければならなくなる。だが、そうした送電線は建てるために費用がかかり、外観が悪く、騒音がする。当然ながら大多数の人々は自宅のそばに送電線があってほしくないので、新たな送電線の建設は地元住民から強固な政治的抵抗を受けることになる。

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最終更新:8/27(火) 18:12
WIRED.jp

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