ここから本文です

中島裕翔主演“ぼくごは”が配信開始 原作セリフの再現度に驚き!

8/28(水) 16:00配信

Book Bang

 強く強くもっと強く胸に想いを抱く皆さんこんにちは。ジャニーズ出演映画の配信が始まりましたね! これまでも一部のビッグタイトルは配信されていたけれど、大部分はネットサービスに載らないというのがお約束のようになってました。ところが今月に入って動画配信サービスを検索すると、錦戸亮主演「羊の木」や亀梨和也主演「PとJK」、生田斗真主演「秘密」などなど、「えっ、これが入ってる!」と喜ぶことしきり。

 このコラムで過去に取り上げた映画だけに絞ると、
 第6回 中島裕翔・主演「ピンクとグレー」
 第11回 松本潤・主演「ナラタージュ」
 第22回 亀梨和也・出演「美しい星」
 第30回 長瀬智也・主演「空飛ぶタイヤ」
 第31回 横山裕・主演「破門 ふたりのヤクビョーガミ」
 などが配信されてますよ。この機会にぜひ映画を見て、さらに原作をお楽しみいただければと思います。

 ということで、ジャニーズ出演ドラマ/映画の原作小説を紹介するこのコラム、今回は今夏配信がスタートしたこちらの映画を取り上げるよ。

■中島裕翔(Hey!  Say!  JUMP)・主演! 「僕らのごはんは明日で待ってる」(2017年、アスミック・エース)

 原作は瀬尾まいこの同名小説『僕らのごはんは明日で待ってる』(幻冬舎文庫)。今年『そして、バトンは渡された』(文藝春秋)で第16回本屋大賞を受賞した著者が、2012年に発表した恋愛小説だ。

 高校生の葉山亮太は、体育祭の競技〈米袋ジャンプ〉をきっかけに親しくなった同級生の上村小春と付き合うことに。口下手で不器用、流されがちで黄昏れがちな亮太と、強靭なまでに我が道を行くタイプの小春は、大学は離れてしまったが順調に交際を続けていた……はずだった。けれど突然、小春が別れ話を切り出す。いったいどうして? 

 瀬尾まいこの文章は軽やかで柔らかくて、とても読みやすく、すっと読者の胸に入ってくるのが特徴だ。悲しい場面にもどこか温もりがある。唐突な言動にもなぜか懐かしさがある。登場人物ひとりひとりが愛おしくなるような、そんな優しい物語を瀬尾まいこは書く。特に、突拍子もない人物や展開を違和感なく、むしろ必然と印象付ける構成は著者の真骨頂だろう。

 たとえば原作を読むと、いきなりの〈米袋ジャンプ〉だ。男女ペアなら二人三脚などもっと普通の競技があるだろうに、なぜいきなり主役を米袋に入れるのか。恋の小道具が浅見光彦シリーズってのもいかがなものかと思う。いや、内田康夫先生には何の文句もないが、もっとロマンティックなものが何かあるだろう。ポカリ派かアクエリ派かって、そんな大事? 自分探しでいきなりタイに行っちゃうって何なの。しかもおばちゃんたちのツアーで。探せるのか、自分。

 ……とまあ、表層だけ見ればツッコミどころ満載なのに、それを瀬尾まいこの文章で読むと不思議なくらい自然で、もうこれしかない、と思わせるのである。米袋に入ったこと、浅見光彦シリーズを読んだこと、唐突なタイ旅行。他にも、ふたりで行ったケンタやガスト。書店で買う東京ウォーカー。イエス・キリストというあだ名。ひとつひとつにリアルな生活感がある。それが重なることで、唯一無二の〈その人〉が浮かび上がる。そしてすべて青春を彩る一コマとして、ちゃんと後で効いてくるのだ。これは瀬尾まいこの巧さだ。

1/3ページ

最終更新:8/28(水) 16:00
Book Bang

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事