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Apple 、またしても「 アンチトラッキング 」を厳格化:「問題の規模が大きすぎる」

8/29(木) 9:01配信

DIGIDAY[日本版]

Appleがあらためてトラッキングと戦う姿勢を見せている。アドテクベンダーがAppleの個人情報保護ポリシーの抜け道を使ってウェブでユーザーを追跡しているのを阻止するため、アンチトラッキングのポリシーをさらに厳格化した。

アドテクベンダーと広告主は8月中旬から、リンクデコレーションやフィンガープリンティングなど、どちらかというと非公然とされていた、一連のトラッキング手法を使えなくなった。それらは、これまで、Safariでのトラッキングを禁じるAppleの取り組みを迂回する方法として人気が高まっていた。

これにより短期的に収益が落ちこみ、プロダクト投資が不透明になると、パブリッシャー側は予想している。しかし、当初のITP更新時のような厳しい落ちこみにはならないと、パブリッシャー幹部らは考えているようだ。アドテク業界筋によると、当初のITP更新時は、オープンエクスチェンジのCPMが40%下がったパブリッシャーもあったという。

あるパブリッシャー幹部は、「サードパーティのトラッキングやアドテクを狙ったものであり、その点は、パブリッシャーが所有するデータに味方する」と、匿名を条件に語った。「『いいね』ボタン、フェデレーテッドコメント(統合コメント)、その他のソーシャルウィジェットボタンがおそらく機能しなくなり、Facebookなどには明らかな打撃となるだろう。それらの機能は、パブリッシャーにユーザーを還流する際に、差し障りのあるデータを統合、管理しているからだ」。

意図せぬ影響のリスト

Appleは今回の米国時間8月16日の更新に合わせて、トラッキング手法の一掃によって生じる可能性のある意図しない結果を11件リスト化しており、メディアコンサルタントはその多くを心配している。リストには、「いいね」ボタンのほかに、サードパーティのログインプロバイダーを使ったフェデレーテッドログイン(統合ログイン)や、同じ組織が管理する複数のウェブサイトに対するシングルサインオンが並んでいる。この2つの手法は、複数のメディア機関によるアライアンスで、ユーザーが1回のログインでたくさんのサイトにアクセスできるようにするため用いられているのだ。そうすることで、メディア機関は互いにデータを共有し、FacebookやGoogleに代わる広告プラットフォームを対抗できる規模で広告バイヤーに提供できる。そのため、このように1回のログインで複数のサイトにアクセスできるようにしているメディアアライアンスは、苦しくなるだろう。

メディアコンサルティング企業であるADZストラテジーズ(ADZ Strategies)の創業者、アレッサンドロ・デザンチェ氏は、「意図せぬ影響のリストから明らかなのは、もぐら叩きになっている業界のアプローチ全般が持続可能ではないということだ」と語った。「シングルサインオンとフェデレーテッドログインは、ビジネスのより強力な将来像を誠実に実行に移そうとしているメディアアライアンスに影響するかもしれない。とても大きな問題であり、業界への恩恵は思い浮かばない。事態が行き詰まるさらなる兆候しか見えない」と、同氏はいう。

トラッキングを防止するITPの回避法や迂回策をアドテクベンダーが広めたことをきっかけに、Appleは2019年すでに2度、2月と4月にITPを更新しており、アンチトラッキングを巡るせめぎ合いは不可避の状態だ。

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最終更新:8/29(木) 9:01
DIGIDAY[日本版]

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