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その1本、思わぬ高値も お酒買い取りサービスいかが

8/30(金) 7:47配信

NIKKEI STYLE

飲まなくなった酒を現金化できる買い取りサービス。実家の片付けや終活の一環で手放したい人に喜ばれているという。購入時より高い値段で取引されることもある。初めて利用する場合のポイントを押さえよう。
横浜市に住むAさん(61)が実家を片づけていると、親の残した10本ほどの酒が見つかった。ウイスキーやブランデー、ジンや焼酎……。買い取りサービスに持ち込むと、そのうち1本の国産ウイスキーが約18万円の値を付けた。他の酒は190~1500円だったが「こんなに高く売れる物があるとは思わなかった」とAさん。
利用したのは大手リサイクルチェーンのハードオフコーポレーション(新潟県新発田市)が運営するリカーオフ。店頭買い取りや出張買い取りのほか、電話やメールでおおよその査定額を出してもらい、着払いの宅配便と引き換えに入金してくれる宅配買い取りのサービスもある。
リカーオフの場合は「未開封、賞味期限内、目安の製造日内であれば、ほぼすべての酒を買い取る」(リカーオフ武蔵小山パルム店長の牧田正人さん)。製造日からの目安は日本酒の普通酒が2年以内、吟醸酒は半年から1年以内、白ワインは3年程度、赤ワインは10年程度だという。有名シャトーのような銘柄ワインならば10年以上経過していても対象になるという。

ウイスキーや焼酎、ブランデーなどの蒸留酒は製造から30年以上経過していても買い取ってもらえる。アルコール度数が高く、高熱を加えて造られていて品質が劣化しにくいからだ。一方、低温で醸造している日本酒の大吟醸は値崩れが早い。冷蔵保存の状態で製造から1年程度が買い取りの目安だという。
買い取り金額は、酒の種類、状態、市場のニーズ、季節などによって頻繁に変わる。人気商品の場合、購入時より高くなるケースも多い。一方、かつて数万円の市場価値があっても、品質の劣化や一過性のブームが去ると、数百円程度に下落することもある。
チケットやブランド品を扱う大手リユース会社、大黒屋(東京・千代田)の買い取り鑑定団団長の武捨佑介さんは「国産ウイスキーは数年で何倍にも高騰している」と話す。ドラマの影響や原酒不足による販売休止報道、世界的な人気といった背景から需要が増えているためだ。
季節により変動しやすい品種もある。「シャンパンはクリスマスに消費が増えるため、高値がつきやすい」(武捨さん)。日本酒も冬はニーズが高まり、高値で取引されやすいという。武捨さんは「ホームページなどに買い取り価格を公表している店を参考にすると安心」と助言する。
JOYLAB(ジョイラボ、大阪市)は酒の買い取りが専門。渋谷店(東京・渋谷)店長の茶山祥太郎さんは「まとめ買いではなく、1本ずつ査定してもらえる店を探した方がよい」と話す。個別の査定には、正しい酒の知識と現在の市場価値が反映されやすいからだ。

贋(がん)作(さく)はもちろん、未開封でも破損していたり品質が劣化していたりすると買い取ってもらえないケースもある。店によっては、ラベルが汚れていたり破れていたりしても買い取ってくれる場合があるが、箱や交換用の栓などの付属品も含め、入手時の状態を保つことが重要だ。
金額や手間を考えると、捨てた方がメリットがあったと感じるケースもあるだろう。店に持ち込む前に、電話やホームページでおおよその査定価格は確認しておきたい。宅配買い取りはサービス利用の条件として、買い取り目安総額の下限を設定している場合もある。キャンセル返送料の有無や、破損があった場合の補償も確認しておこう。
(ライター 児玉 奈保美)
[NIKKEIプラス1 2019年8月24日付]

最終更新:8/30(金) 7:47
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