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「冷凍チャーハン」100億円市場、各社こだわり開発の舞台裏

9/1(日) 11:00配信

NEWS ポストセブン

「料理人は1回に1人前しか作らないが、工場では1日数万食単位で生産する。量が多いと品質もぶれやすいが、品質を安定させるために独自のノウハウが生きている」(ニチレイフーズ・奥村氏)

◆「250度」がもたらしたもの

 本格炒め炒飯は今やニチレイフーズにとっても屋台骨の商品だ。2017年にはこの1商品だけで年間売上高が初めて100億円を超えた。発売以来毎年50億円前後で推移していたが、2015年春の大規模なリニューアルで流れが変わったという。

 リニューアルの大きな目玉となったのが、冷凍チャーハンの開発において重要な「炒め」の工程だ。約30億円をかけて製造ラインを改造し、一度卵と炒めたご飯に250度以上の「高温熱風」を浴びせる工程を加えた。250度という温度は、プロの料理人がチャーハンを調理している中華鍋の表面温度を、ニチレイフーズがサーモグラフィーで測った結果、得たものだ。

 さらにそれまで社外から調達していた焼豚を、独自レシピによる自社製に変更。この焼豚の煮汁を隠し味に採用したうえ、香りを引き立たせるために焦がしネギ油を新たに開発した。「ここまでやりますか、というところまで、自分たちで作るようになった」と奥村氏は振り返る。

 細かな工夫はこれだけではない。ご飯を炊く際にはコメを水に浸すのではなく、蒸気で蒸し上げ、水分の吸収を抑える。これも「パラパラ感」を出すためだ。さらに冷凍する際は、冷凍庫でご飯を凍らせたときのような塊にならないようにする技術もあるという。

 ご飯以外では、2018年春の改良で焼き豚1個あたりの大きさを1.2倍にし、量も増やした。同時に値上げも実施している。今年2019年春には、仕上げとして中華鍋の鍋肌に醤油をジュッと入れたような風味付けを始めた。

 こうした改良を加えた結果、開発陣としては、現行品から大きく変えづらくなったことが悩ましくなったという。消費者による試食でも現行品が改良品に評価で勝ることもしばしば。「味の記憶のストライクゾーンを外してはいけないので難しい」(奥村氏)という。

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最終更新:9/2(月) 13:05
NEWS ポストセブン

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