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病状を記録し続けると、それだけで体調が悪化する!?

9/4(水) 12:13配信

WIRED.jp

ケイティ・ゴールデンが症状日誌をつけ始めたのは8年前。初めて慢性偏頭痛と診断されたころのことだった。彼女は痛みの程度のほか、その日に食べたもの、出かけた場所、天気、気圧など、繰り返し襲う頭痛の原因になりうる事柄を片っ端から書きとめ、症状の緩和に役立てようとした。

「痛み」はテクノロジーで客観的に評価できるのか?

米国の成人のうち、疾患の症状をアプリを使って定期的に、またはときどき記録している人は15パーセントに上るという。睡眠記録アプリを使用している人もほぼ同数だ。しかし、症状の綿密な記録をとるのも考えものである。というのも、それが症状の悪化につながることがあるからだ。

不眠症などの病気の症状についてあれこれ考えるほど、むしろ症状が起こりやすくなることがわかっている。これは「ノセボ効果(nocebo effect)」と呼ばれるものだ。効き目のある薬だと思いこんでいれば、たとえ砂糖でできた偽薬であっても回復がみられる現象を「プラセボ効果」と呼ぶが、ノセボはその邪悪な双子のような存在である。

「ネガティヴな予想によって身体反応が引き起こされることがあるんです」。そう説明するのは、メリーランド大学で神経科学を研究する医師で、プラセボ効果とノセボ効果を専門とするルアナ・コロッカだ。「一種の自己防衛メカニズムですね。進化の過程で、わたしたちは危険な状況を避けるメカニズムを発達させてきました」

症状記録が不安を生む

冒頭のゴールデンは、患者の権利擁護活動に携わる38歳の女性だ。彼女は最初はExcelのスプレッドシートで、やがて専用アプリを使って症状を記録していった。

この行動は、はじめのうちは医師とのコミュニケーションに役立っていた。しかし、やがて彼女は偏頭痛を悪化させうるありとあらゆる要素に注目するようになってしまった。

「記録に取りつかれてしまう人たちをたくさん見てきました。一時期は自分もそうでした」と、彼女は言う。「ランチに何を食べた? ディナーのとき何をした? そんなふうに、かかりきりになってしまうのです」

症状の記録は体調の変化を把握するうえで役立つが、同時に不安状態を生み出す場合もある。さらには、苦痛を増幅させる可能性すらある。これは期待や予想がわたしたちの感覚をかたちづくるからだ。

例えば、ある偏頭痛薬の治験では、参加者の約18パーセントは砂糖でできた偽薬に副作用があったと報告している。ちなみに参加者は、自分が服用しているのが本物の薬か偽薬かを知らなかった。

また別の研究では、手術後にモルヒネ投与のタイミングを教えられた患者が、投与終了と同時に強烈な痛みに襲われたと申告した。一方、予告なしにモルヒネ投与を停止された患者は激痛を感じなかったという。

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最終更新:9/4(水) 12:13
WIRED.jp

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