ここから本文です

子どもの発達障害の権威が教える、乳幼児期のしつけで大切なこと

9/4(水) 14:30配信

webマガジン mi-mollet

 「この子のためだ」との思いで取った行動が、子供を傷つけてしまうかもしれない。どう躾をすればいいのか、躾と体罰の境界とはどこなのか……。そんな不安を抱えながら子育てしている方は多いでしょう。児童精神科医の第一人者として著名な杉山登志郎医師が、基本について説いた『子育てで一番大切なこと 愛着形成と発達障害』 (講談社現代新書)。今回はこの本から、乳幼児期の躾と健康維持についての解説をご紹介します。

===================================

 

どんな暴力であっても脳は確実に萎縮する

子供への躾において問題視されるのが「躾と体罰」だ。体罰というと殴る蹴るのイメージがあるが、子供の虐待の影響を見ていくと、「お前を産むんじゃなかった」という否定的な言葉を子供に向かって言い続けたり、きょうだい間で差別をしたりというような心理的虐待、そして必要な世話をしないというネグレクトのほうが、単純な体罰よりダメージが強いということが分かってきている。

もちろん体罰がいけないことには変わりはない。暴力を受け続けると、脳に明らかなマイナスの影響が出てくることもはっきりしてきている。
下記の表を見てほしい。

「誤った対応で変化する子どもの脳」
 ●性的虐待  → 後頭葉の萎縮、および脳梁の萎縮
 ●暴言被害  → 側頭葉の肥大
 ●体罰    → 前頭前野の萎縮
 ●DV目撃  → 視覚野の萎縮
 ●複合的虐待 → 海馬の萎縮

この研究によって、どの振る舞いがどのように脳にマイナスの影響を与えるのかが個別に判明している。よく「愛情があれば体罰だって良いんだ」という議論がされるが、愛があると判断されるような体罰でも、脳の萎縮は確実に起きてくる。萎縮するのは前頭前野という、考えることを司るとても大事な箇所だ。体罰はどんなものであっても、脳のとても大切なところにマイナスの影響を与えるということが、この研究で明らかにされたのである。
 

1/3ページ

最終更新:9/6(金) 15:27
webマガジン mi-mollet

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事