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月見 意外に知らない「ニッポン入門」

9/6(金) 14:30配信

nippon.com

日本には古くから満月を鑑賞する習慣がある。特に秋は、空気が澄み、満月が適度な高さに位置して美しく見える。全国各地では、観月やそれに付随するイベントが行われる。

自然の恵みに感謝する

秋になると、団子やススキを供え、米など農作物の収穫への感謝と豊作への祈りを込めて月をめでる。毎月旧暦の15日は満月で、特に8月15日(新暦の9月)の月を鑑賞することを「十五夜の月見」という。2019年の「十五夜」は、9月13日だ。

旧暦は、月の満ち欠けを基に1カ月を定めていた古い暦で、1872年まで使われていた。旧暦では7~9月を秋としており、8月15日はその真ん中に当たるので「中秋(ちゅうしゅう)」という。中秋の頃は、北半球では観月に最も適した位置に満月が出て、空気が澄んで美しく見えるため、十五夜を特別に「中秋の名月」と呼ぶ。

中国では唐の時代(618~907年)から、旧暦の8月15日の夜に満月を眺める風習があり、それが日本に伝わった。奈良時代(710~794年)や平安時代(794~1185年)には貴族が月見の宴(うたげ)を開き、楽器を演奏したり、歌を詠んだりしていた。江戸時代(1603~1868年)になると、この風習が庶民にも広まった。新米などの作物を供える秋祭りと十五夜が結び付いて、豊かな実りを感謝する行事になった。

月見飾り

縁側や窓など月見をする場所を月見台といい、そこに米で作った月見団子やサトイモなどを供え、ススキを飾って月が出るのを待つ。この月見飾りと呼ばれるお供え物は、地域によって異なる。茶道や華道でも特別なしつらえをする。

1)月見団子

地方によっていろいろあるが、 一般的には丸くする。形が月に似ているところから丸い団子が定着した。丸は縁起が良く、団子を食べると健康で幸せになれると考えられていた。団子の数は十五夜にちなんだ15個または1年の月数に合わせた12個などがある。供えた後は、おいしく食べる。

2)ススキ

5本または10本のススキを飾る。稲穂に似た形は穀物の実りを表していると考えられている。

3)サトイモ

サトイモは一つの株から子株がたくさん増えることから、子孫繁栄の縁起物として供える

4)秋の作物

豊作を感謝して秋に収穫したエダマメ、栗、カボチャなどを供える。

月にみえる影を日本では「月でウサギが餅をついている」と言う。月にウサギがいるとされた仏教の説話が伝わったことに由来する。また満月を望月(もちづき=餅をつく)という説もある。

「月見」は、卵黄を月に見立てた卵を使った料理のネーミングとして使われることも多い。月見バーガー、月見そば、月見カレー、月見ラーメンなどがその例だ。

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最終更新:9/6(金) 14:30
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