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英国でビーガンが急増、しかし関係者からも衝撃的な発言が相次いでいる

9/6(金) 19:34配信

ニューズウィーク日本版

──ビーガン人口が急増しているが......

肉を食べない人を「菜食主義者」(ベジタリアン)というが、卵やチーズ、魚などを含む動物由来のものを一切口にしない人は「ビーガン」と呼ばれ、日本語では「絶対菜食主義者」または「完全菜食主義者」などと表現されている。

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英国では今、ビーガンになる人が急増している。英ビーガン協会によると、ビーガン人口は2018年、英国の総人口の1.16%に相当する60万人に上った。うち42%は2018年に完全菜食主義に切り替えた人だ。いかに急増しているかがうかがえる。ビーガン協会によると、英国では2018年、世界中のどこよりも多くのビーガン向け新商品が発売された。一方で米国でも、ビーガン人口は2017年に1960万人となり、2014年から600%増加したという。

■ 菜食主義の味方、ホールフーズCEOが衝撃発言

しかし最近、ビーガンにとって衝撃的な発言が重なった。

まず、ビーガンの強い味方であるはずの「ホールフーズ」のトップが、大豆などで作った「ベジタリアン・ミート」(ベジミート)は「環境にはいいけど体には悪い」と発言したのだ。ホールフーズは、自然食品やベジタリアン食品などを扱う大手スーパーで、全米で展開する他、カナダや英国にも進出している。最高経営責任者(CEO)のジョン・マッキー氏は、20年にわたりビーガンを貫いている。

米国のビジネス専門ニュースチャンネルCNBCの中でミレニアル世代を対象としたサイトCNBC Make Itとのインタビューに答えてマッキー氏は、「かなり加工された食品を食べることが健康的だと私は思わない。無加工の食物を食べることで人は健康になるんだと思う」と述べ、ベジミートについて「健康のためには勧めない」と発言した。

マッキー氏は、ベジミートは人の想像力を捉えて非常に人気になっていると説明。しかし「原材料を見ると、とにかくものすごく加工されている」と指摘した。CNBC Make Itは、別の栄養士もベジミートについて「必ずしもビーフよりも健康的というわけではない」と話したとしている。

■ 脳に必須の「コリン」をめぐる議論勃発

さらに8月末、「ビーガン食では脳が必要とする栄養素を十分補えない」という主旨の論文が発表された。英ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル系列の医学誌「栄養、予防&健康」(電子版)に掲載されたもので、英国で栄養や健康に関するコンサルタント業を営むエマ・ダービーシャー博士が書いたものだ。

ダービーシャー博士によると、コリンは神経伝達物質合成や細胞構造などに必須の栄養素で、肝臓で作られてはいるものの十分ではなく、食物として摂取して補う必要がある。不足すると、肝臓病や神経系の病気になる可能性がある他、妊婦がコリン不足になった場合、胎児の認知機能に障害が出る可能性もあるとしている。英国では食事ガイドラインなどにコリンを含めておらず、なぜコリンの重要性がこれほどまでに見過ごされてきたのか、と同博士は英国政府の対応に疑問を投げかけている。

論文では、一般的に牛肉や卵、魚、鶏肉、ナッツ、牛乳、そしてブロッコリーなどのアブラナ系の野菜にコリンが含まれているとしている。しかし含有量を表したグラフを見ると、牛のレバー、卵、牛のステーキ、鮭などに多く含まれ、全体的に植物性食物よりも動物性食物に多く含まれているのが分かる。

しかしビーガン協会は、ダービーシャー博士のこの論文を受けて声明を発表し、同博士の主張を完全否定した。同協会は、英国栄養士協会が発表した「ビーガンや植物由来の食生活で十分(コリンの)必要要件を満たすことができる」という言葉を引用し、妊婦や子どもを含む誰にとっても、ビーガン食は健康的な生活を支援するものだと書いた。

ビーガン協会はまた、「コリンは大豆やキヌア、ブロッコリーなど植物由来の食物に広く含まれている」というビーガン協会の栄養士ヘザー・ラッセル氏の見解を紹介している。ラッセル氏は、「完全菜食主義に切り替えた場合でも、あまり加工されていない食物をバランス良く食べれば、コリンのサプリメントを飲む必要などない」と同協会に話したという。

松丸さとみ

最終更新:9/6(金) 19:56
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