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山口智子さん 突出した存在感と後輩へ伝えたい思い

9/7(土) 7:47配信

NIKKEI STYLE

早いもので9月に入りました。年度における中間期を迎えるこの時期は、テレビの世界では夏ドラマが終了します。特にNHKの朝ドラ枠は、春から始まり半年にわたって放送されたドラマが終盤を迎えることで、毎年注目を集めています。現在は、広瀬すずさん主演のNHK連続テレビ小説「なつぞら」が放送されていますが、8月15日に放送された第118話にて、山口智子さんが演じる亜矢美が姿を消したことが話題になりました。

亜矢美は、広瀬さんが演じる主人公なつの兄・咲太郎の育ての親。おでん屋「風車」を女将として切り盛りしてきた人物です。なつの上京後は、部屋を下宿として提供するなど、2人にとって心の支えとなってきましたが、咲太郎の結婚と店の立ち退きを機に姿を消し、電車でどこかへ旅立つラストシーンで締めくくられました。放送後には番組の公式ツイッターに、「最初から最後までカッコイイ亜矢美さん」「すてきな亜矢美さんから元気をいっぱいもらいました。いつか、また…」。「山口智子さんはホントかっこいい!最後はチャコ先生っぽかった」。など、常に前向きではつらつとした亜矢美が画面から姿を消すことを残念がる書き込みが数多くありました。

■突出や失敗を恐れない姿勢

実は、「なつぞら」に亜矢美が登場したばかりのころは、ネット上では賛否が混在していました。亜矢美のリズミカルな立ち居振る舞いと、サバサバした姉御肌のキャラクターは、1996年に放送されていた大ヒットドラマ「ロングバケーション」(フジテレビ系)で演じた山口さんの役どころにも近く、新鮮味が足りないという意見もあったのです。ですが、回を重ねるごとに「今を懸命に生きる喜び」を素直にはつらつと表現し、常にたくましく前向きに進み続ける亜矢美の姿に、視聴者は勇気をもらい、元気づけられ、やはり山口さんだからこそ演じることのできる役柄なのだと次第に納得していきました。

「29歳のクリスマス」(94年)「ロングバケーション」などの大ヒットドラマで、主役を演じてきた山口さんは、女優として自身も時代を代表する突出した存在感を打ち出してきました。それから20年以上が過ぎた今でも、一貫して突出したキャラクターを見事に演じ切ったのです。

突出しているということは、目立つことでもあり、たたかれる可能性も秘めています。そうした役作りは、かなり勇気がいるものです。ですが、山口さんは亜矢美という破天荒なキャラクターを、突出したはじける演技を徹底させることで、私たち視聴者に圧倒的な存在感を示しました。この突出するということについて、山口さんは16年の雑誌「FRaU」のインタビュー記事の中で次のように語っています。

「今の時代って、『突出してはいけない』『失敗してはいけない』って考え方に縛られて、無難にすまそうとする人が多い。私はそういう、平均的に単一になっていく世界って寂しいと思う。世界はもっと色とりどり、様々な個性で輝いていてほしい。人と同じではつまらないでしょ? 平均点ばかり狙っていたら、面白いものなんか世の中に生まれてこない。こんなふうに失敗を極端に恐れる時代から、どう抜け出すか。今、私たち大人の志や心意気が試されている気がします」


失敗を極端に恐れる時代から、どう抜け出すか。今、私たち大人の志や心意気が試されている。この山口さんの考え方は、若手の役者さんもそろっている「なつぞら」の撮影現場にも反映されていたようです。ウェブサイト「リアルサウンド」のインタビューにおいて山口さんは、年長の役者として次の世代のために何を伝えるべきかについて、次のように語っています。

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最終更新:9/7(土) 7:47
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