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鳥谷退団で証明された阪神のお粗末な経営感覚|日本野球よ、それは間違っている!

9/7(土) 6:05配信

幻冬舎plus

広岡達朗

阪神の看板ショート・鳥谷敬の退団が決まった。早稲田大学から自由獲得枠で入団して16年。事実上の戦力外通告といえる引退勧告を受け、鳥谷は38歳で名門タイガースのユニフォームを脱ぐ。

早大の主力打者だった鳥谷は私の後輩で、当時まだ60代だった私も、しばしば母校のグラウンドで指導した。寡黙な選手で堅実な守備だったが、バッティングでも三冠王と首位打者2度など、数々の東京六大学記録を残している。 

阪神では2017年に通算2000本安打を達成し、2018年、衣笠祥雄に次ぐ歴代2位の1939試合連続出場記録を残している。守備では「今牛若丸」と呼ばれた先輩・吉田義男にはるかに及ばなかったが、左打席からの巧打は阪神ファンの人気も評価も高かった。

5年総額20億円の無謀契約

しかし人間は、年とともに体力が衰えて最後は死ぬ。野球選手はとくに現役の時間が短く、どんな名選手でも30歳をすぎると体力も成績も降下する。私が鳥谷退団のニュースを見て痛感したのは、当時33歳を迎えた鳥谷と5年総額20億円(推定、以下同)の長期高額契約を結んだ阪神の無謀な経営感覚である。鳥谷の成績を振り返ってみると、この年は打率.281で、皮肉にも以後3割を切り続けている。

いくら人気選手を引き留めるためだからといって、5年で20億円も大盤振る舞いしておいて途中で切るのは惜しくなったのだろうが、阪神の見通しの甘さと経営感覚のなさにはあきれるばかりだ。

だが、この傾向は阪神だけではない。ソフトバンクも松坂大輔と和田毅をそれぞれ3年総額12億円+出来高払いで契約し、阪神も藤川球児を2年総額4億円で迎えた。いずれも米大リーグに挑戦し、ヒジのトミー・ジョン手術を受けて帰ってきての再就職だ。

私はかねて、以前の球威を取り戻す完全復活が難しいという理由で、投手の手術には反対してきた。上記の3人はどうだったか。一時的な復活はあったにしても、長期高額契約に見合うような完全復活はひとりもいない。両球団とも豊かな資金を惜しげもなくつぎ込んだ複数年契約は、球団経営の本質を無視したもので間違っている。

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最終更新:9/10(火) 11:05
幻冬舎plus

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