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陣内孝則、松重豊、鈴木浩介… 福岡の名門私立高校が人気俳優を次々輩出する理由

9/7(土) 11:01配信

デイリー新潮

 卒業生が難関大に進む割合の高い高校の特徴は、誰にでも簡単に説明できるだろう。入学者の偏差値が高く、授業内容が充実している高校ということだ。では、卒業生に俳優が多い高校の特徴は何か? 陣内孝則(61)、松重豊(56)、鈴木浩介(44)、井上芳雄(40)を輩出した西南学院高(福岡市)を考察してみると、どんな高校が俳優を生みやすいのかが浮かび上がってくる。

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 バンド「ザ・ロッカーズ」のボーカルからトレンディードラマの主演俳優となり、その後も活躍する陣内孝則、『孤独のグルメ』(テレビ東京)で大ブレイクした松重豊、さまざまなドラマを確かな演技で支えるパイプレーヤーの鈴木浩介、ミュージカル界のトップスター・井上芳雄。この4人は同じ高校で青春期を過ごした。福岡市の西南学院高だ。

 第一線で活躍する俳優のOBが4人。首都圏以外の高校ではトップクラスと言っていい。

 首都圏を含めてカウントしても、芸能活動がしやすいクラス(トレイトコース=旧芸能活動コース)を設けている堀越高校(東京)と、2003年に廃止された定時制課程が芸能人に通いやすかった明大附属中野高校(同)を除くと、上位に入る。

 過去には次々とスターが出た慶応義塾高(横浜市)からは俳優が生まれにくくなっている。故人には石原裕次郎さん、川口浩さん、日下武史さんらがいるが、現役組は加山雄三(82)、石坂浩二(78)、石原良純(57)、平沼成基(39)くらい。アイドルにまで範囲を広げても「嵐」の櫻井翔(37)が加わるだけだ。

 同じく、かつては故・フランキー堺さんや故・小沢昭一さん、故・加藤武さん、故・神山繁さん、故・仲谷昇さんらを輩出した麻布高(同)も、今はナレーションの名手でもある久米明(95)くらいしか見当たらない。

 一方、西南学院高OBの活躍はめざましい。なぜなのか? 

 まず西南学院高の全体像を見てみよう。中高一貫校であるものの、高校からの入学も可能で、1学年の定員は400人強。男女共学だが、それは1994年からで、陣内、松重、鈴木の時代は男子校だった。

 普通科のみで、高校入試の偏差値は70だから、トップレベルの進学高と呼べる。卒業生はほぼ100%進学する。

 2019年度入試では28人が地元の九州大に合格。一方で東京志向も強く、同年度入試では早大と慶大に計27人が合格したのを始め、国公立大や有名私大にも多数合格している。また、九州屈指の名門私大で系列校である西南学院大にも毎年150人程度が合格する(いずれも同校ホームページのデータより)。

 進学先を東京の大学にする卒業生が多い理由を、陣内や松重とほぼ同時代に西南学院高で過ごした50代OBが語る。

「だいたい1学年の半分が東京の大学に進みました。『好きなことをやるなら、同じ志を持つ者や情報が集まっている東京がいい』と考える生徒の上京が目立った。ウチの学校は制服こそあるものの、何事にも自由で、家でやらなくてはならない課題もなかったから、高校の時点で勉強以外のやりたいことを見つける生徒が多かった。それを思い切りやるなら、東京の大学がいいというわけです」(西南学院高の50代OB)

 高校生の時点でやりたいことが決められる自由や時間があるのは、大きなポイントだろう。

 陣内は高校時代から5年間、ザ・ロッカーズのボーカルとしてライブハウスのステージに立っていた。それを見た音楽プロデューサーにスカウトされ、上京を勧められた。

 在学中にライブハウスのステージに立ってはいけないと決められている高校もある。また、課題や補習に追われ、バンド活動どころではないという高校もあるに違いない。

 その点、陣内は恵まれていた。

「私は陣内さんより数年後輩ですが、教師が授業中に『うちの学校にいたころの陣内君は格好良かった』という思い出話をしてくれたことがあります。非難することはなかった」(同・西南学院高の50代OB)

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最終更新:9/7(土) 13:56
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