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うすしお味、メリット……昭和から売れ続けるNo.1商品の秘密

9/9(月) 11:07配信

FRIDAY

令和最初の夏が終わった。業界全体が倦怠ムードになる「夏枯れ」と言われる8月が終わり、一気に仕事モードに切り替わる時期だ。

多くのビジネスパーソンの仕事は、直接的であれ、間接的であれ、「商品やサービスを売る」ことに深く関わっている。少しでも多くの商品を、できるだけ長い期間売るために、日夜悩んでいる。特にマーケティングをしている人は、モノが溢れている時代にモノを売ることの難しさ、優れた商品でも売れないという壁に当たることも多いのではないだろうか。

そこで注目したのは、「実家でオカンが愛用」し続けている食品と生活用品たち。オカンは品質と値段に厳しい。無数の類似商品があり、より安価なものが多数登場しているのに、その中からオカンが選ぶモノ……いずれもそのジャンルではシェアナンバーワンであり、昭和・平成・令和と時代をまたいで売れ続けている商品ばかりだ。定番ゆえに、スポットライトが当たることは少ない。しかし、生活の深部に入り込み、リピートされ続けているアイテムの背景とは何か……。

今回は、ポテトチップス、お茶、シャンプー、トイレ用洗剤にクローズアップして紹介する。

構想7年、満を持して発売した、シンプルスナック

◆『カルビーポテトチップス うすしお味』

多くの実家には、“菓子置き場”がある。せんべい、クッキー、飴、チョコレートなど人気の菓子から姿を消す“あの”コーナーだ。その中で、最も回転率が速いものは何かと考えたときに、思いつくのが1975年発売の『カルビーポテトチップス うすしお味』ではないだろうか。子供が好むからオカンは買う。子供が巣立っても美味しいから買う……この商品の誕生背景を伺った。

「カルビーがポテトチップスに参入したきっかけは、創業者の松尾孝が1967年にアメリカの国際菓子博覧会に参加したことです。アメリカのスーパーでポテトチップスが山積みされているのを見て、国内でも手頃な価格で提供できれば売れるはずと思ったそうです」(カルビー広報 以下同)

構想7年のポテトチップス。日本では、原料のじゃがいもの収穫時期が限られていることも、開発に時間がかかった背景にあるという。

「じゃがいもを貯蔵し、一定の品質を保つのは大変なことです。発売当初から契約農家さんと一緒に試行錯誤し、現在も年間を通じておいしくポテトチップスを食べていただくために、高品質なじゃがいもの調達に努めています」

味の細部についても、調整を重ねてきた。

「うすしお味の場合、変更できることが限られるため、塩選びから、繊細な取り組みをしています。例えば、伯方の塩、沖縄石垣の塩、瀬戸内海の塩など時代ごとにお客様に支持されるものを選んでいます。また、塩の粒度(りゅうど)を微妙に変更してきました。粒度が粗いと口溶けに時間がかかるため塩味をすぐに感じられない。粒度が細かいと口の中ですぐ溶けるため塩味を感じやすいなどの特徴があります。この塩こそ、弊社がこだわっている部分です」

味のみならず、パッケージも時代とともに変えてきた。1975年の発売から、44年の間に味とパッケージの見直しを14回も行っている。

「ポテトチップスをおいしく召し上がっていただくために、1985年に袋を透明なタイプから、遮光性が高く保存性のよいアルミ蒸着タイプに変更いたしました。これで中身の鮮度が保てるようになりました。また今年6月のリニューアルではパッケージも大きく変更しました。塩分量が気になる世代の方にもわかりやすいように、パッケージ表面に塩分量を記載。気軽に手に取って頂きたいと考えました」

オカン世代は血圧を気にしている人が多い。この、“かゆいところに手が届く”配慮がされていることもまた、愛される理由なのだ。

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最終更新:9/9(月) 11:34
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