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最も「争続」になりやすい相続は「資産は親の持ち家のみ」

9/10(火) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 財産が少ない家族のほうが、相続では揉めがちだ。遺産分割協議がまとまらず、家庭裁判所に持ち込まれる案件のうちの約3割が、遺産総額1000万円以下のケース。5000万円以下で全体の約4分の3を占める。財産が少ないほど、家族・親族の人間関係がこじれるという現実があるのだ。相続でひとたび争いが起きれば、家族関係が壊れるばかりか、カネも時間も手間もかかってしまう。

 最も「争続」になりやすいのは、「資産は親の持ち家のみ」というパターンだ。

「たとえば親の遺産が評価額1500万円の実家のみのケースでは、息子3人が法定相続人とすれば、500万円ずつ分けることになります。遺産が少ないので相続税はゼロですが、キャッシュを捻出するため自宅を売却する必要があり、実家を継ぎたい長男と、売って現金にしたい弟たちで揉めるケースが多い」(円満相続税理士法人代表で税理士の橘慶太氏)

 こうしたトラブルを回避するベストの方法は、親の存命中に息子たちと話し合った上で、「誰が家を継ぐか」を遺言に残すことだ。

 遺言が無い場合に、実家を兄弟の「共有名義にする」という選択肢は避けたい。後に売却が必要になった際などにさらにこじれるリスクがあるからだ。一般的には実家を継ぐ長男が弟たちに応分の「代償金」を支払うことが解決法となる。

 気をつけたいのは、たとえば長男が2人の弟にそれぞれ“実家の価値”の3分の1の額を払うとしても「不動産評価額」には複数の基準があることだ。

「相続税の計算に使う不動産評価額は、実際の売買価格(実勢価格)の8割ほどに設定される。そのため、実家を評価する際に長男は代償金が割安になる評価額を主張する一方、弟たちは実勢価格を主張しがちです。ちょうど中間となる額にするのが、お互いに納得しやすい」(橘氏)

 資産が少ない家の場合では、代償金の支払いが「一括」か「分割」かでも紛争になりやすい。

「民法上は代償金の分割払いが可能。後々揉めないように、分割協議書には代償金の額と支払い法を明記しておきましょう」(橘氏)

※週刊ポスト2019年9月20・27日号

最終更新:9/10(火) 16:00
NEWS ポストセブン

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