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日本代表よ、ミャンマー代表を侮るな。「個の強い」2トップは健在、その特徴とは?

9/10(火) 11:06配信

フットボールチャンネル

 日本代表は10日、2022年カタールワールドカップ・アジア二次予選の初戦でミャンマー代表と対戦する。相手は格下と見られており、森保ジャパンはアウェイとはいえ、勝ち点3を持ち帰ることがタスクだ。ただ、当然ながら油断は禁物。ミャンマーは直近の試合でモンゴルに敗れているとはいえ、近年アジアの中でも力を付け始めているチームの一つだ。そんなミャンマー代表はどのような特徴を持つのか。日本代表が警戒すべき点は?(取材・文:河治良幸【ミャンマー】)

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●いよいよ始まるアジア二次予選

 森保一監督が率いる日本代表はいよいよカタールワールドカップ・アジア二次予選の初戦に臨む。予選を戦うにあたり「選手にはプレッシャーになると思いますけど、思い切って幸せな気持ちを持って楽しんでもらえれば」と森保監督。前回のシンガポール戦が象徴するように、これまでも二次予選の初戦は難しい試合になっているが、指揮官は選手が「以前の経験を生かして、より油断のない隙のない戦いを進めてくれている」と信頼する。

 その意味で相手より自分たちがまず地に足をつけて冷静にゲームをコントロールすることも求められるが、当然ミャンマーの情報も頭に入れておく必要がある。森保監督が「育成年代でもW杯に出場したり、アジアの中でも力をつけているチーム。監督も外国人を招聘して組織だったプレーができるチームで、手強いと思っています」と警戒するミャンマーは具体的にどういう特徴を持つのか。

 外国人の監督とはモンテネグロ出身のミオドラグ・ラドゥロビッチ監督。ウズベキスタンの名門パフタコールなどで指導し、2015年から今年の5月まで中東のレバノンを率いた。

 AFCアジアカップ2019ではE組でカタール、サウジアラビアに次ぐ3位となり、惜しくもグループリーグで敗退。「日本の試合を観たし、決勝を落としたことも知っている」と語るが、もし2位でラウンド16に勝ち上がればF組1位の日本と対戦したのだから、日本代表に精通しているのも頷ける話だ。

「もちろんパラグアイ戦も観たが、アジア杯からそう多くは変わっていない」とラドゥロビッチ監督。確かに当時は中島翔哉が直前に離脱し、パラグアイ戦は中島に加え、ボランチに遠藤航ではなく橋本拳人が入るなど違いはあるものの、しっかりとイメージを持って挑んでくるはずだ。

 8月の就任から“初陣”でぶっつけ本番となったW杯予選初戦でモンゴルに0-1と敗れ、地元メディアから厳しい質問も飛んだが、指揮官は「チームを作っている途中で負けることもある。過去より明日を楽しみにしているし、ショックなんか何もない」と語気を強めて言い返していた。

●警戒すべきは2トップ

 モンゴル戦では4-4-2を採用し、FWが縦関係になる傾向があるために4-4-1-1という表記もできるし、日本代表と同じく4-2-3-1とするメディアもあるかもしれない。モンゴルに対してアウェイながらボールを握り多くのチャンスを作っていた。

 森保監督も「非常に攻撃力のあるチーム。ボールを握りながら相手を崩すこともでき、カウンターから素早く仕掛けることもできる。試合を支配しながらゲームを進めていた」と分析し、そうした中で少ないチャンスを決められての失点は「アンラッキーな部分もある」と語る。

 相手がAFC40位のモンゴルなのと「日本は6回続けてワールドカップに出ているし、全てのポジションにトップレベルの選手がいる」とリスペクトする日本ではホームとはいえミャンマーの戦い方も変わるだろう。

 ただ、ユン・ジョンファン監督が率いるムアントンでプレーする9番のアウン・トゥとサムット・プラカン・シティ(旧パッタヤー・ユナイテッド)所属の10番チョー・コー・コーというタイリーグ組の2トップが攻撃を牽引することに変わりはない。センターバックの植田直通も「個の強い選手がいる」と警戒する。ジョーカーには180cmのタン・パインという新鋭アタッカーがいる。

 ミャンマーにとっての痛手は右サイドから違いを生み出すマウン・マウン・ルウィンがモンゴル戦で2枚目のイエローをもらって退場し、出場停止となることだ。

「レフリングについても話したくないし、2つのイエロー、レッドカードについても言いたくない」と語るラドゥロビッチ監督がどの選手を起用してくるのか。何人か候補はいるが、小柄なキー・リンというMFを起用してくるプランが1つ考えられる。ただ、日本が相手ということを考えれば前線を1枚にして4-1-4-1にしてくるかもしれないし、割り切って5バックで来る可能性もある。

●「難しい試合になることを覚悟」(森保監督)

 ミャンマーが基本的に攻撃力のあるチームであることを認める板倉滉も「いろんなことを想定して入るんですけど、実際に試合に入ってみないとわからない部分はあるので、立ち上がりからできるだけ早い時間帯で、相手がどうやって入ってくるのかをみんなで共有して、状況判断しながらプレーできれば」と相手の出方を見ながら柔軟に対応していく重要性を語る。

 いずれにしても、ミャンマーは幼少時から日本人が“劣悪な環境”という印象を持つ場所でプレーしてきた選手の集団であり、“聖地”であるトゥワンナYTCスタジアムのピッチは彼らにとって相当に恵まれた環境であるはず。雨季においては試合中にスコールが来ることは日常茶飯事だ。そうした相手に対して日本の選手たちが冷静に状況を見極めながら、かつ相手の土俵に乗っからないようにゲームをコントロールして行けるか。

 ミャンマーの記者から「多くのミャンマー人は5-0以上で日本が勝つと予想しているが?」という質問が出ると森保監督は「結果を予想される方の予想は自由ですし、ただ、我々にとって理想的な結果になればいいですけど、ミャンマーは力のあるチームで(日本代表は)アウェイ。難しい試合になることを覚悟しながら全力を尽くしたい」と努めて冷静に回答した。

 カタールW杯に向け、これから長い予選を戦っていくスタートだけにミャンマーの記者が言うような結果になれば理想的だが、現実に向き合いながら最低1-0以上で勝ち点3を獲得することが“森保ジャパン”のタスクだ。

(取材・文:河治良幸【ミャンマー】)

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最終更新:9/10(火) 11:21
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