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やぶ医者? 歯の異変で別の歯医者に行ったら「歯周病」が悪化していた、あり得る話?

9/10(火) 6:10配信

オトナンサー

 定期的に歯科医院に通っていたのに、歯の様子がおかしいと思って別の医院に行ったら、歯周病が悪化していた――。このような趣旨の投稿が、ネット上で話題となっています。歯周病に詳しい歯科医師でないと正しいケアができない場合がある、ということのようですが、現実にそのようなことが起きるのでしょうか。吉祥寺まさむねデンタルクリニック理事で歯科医師の園田茉莉子さんに聞きました。

狭心症や心筋梗塞につながる怖い病気

Q.まず、歯周病について概要を教えてください。

園田さん「歯周病とは、歯の周りの組織に炎症が起こる病気です。歯と歯肉(歯茎)の境目に残った汚れに細菌が群がり、炎症を引き起こします。初めは歯肉炎といって、歯肉の赤みや出血、腫れを引き起こします。進行すると、歯肉の下で歯を支えている骨にまで炎症が進み、骨を溶かしていきます。基本的に痛みがないため、気付かないうちに進行し、最終的には骨が歯を支えられなくなって歯が抜けてしまう怖い病気です」

Q.歯周病が悪化した場合、体にどのような影響がありますか。

園田さん「歯周病が悪化すると、歯が揺れたり、抜けたりといった口の中への悪影響だけでなく、全身の病気も引き起こしかねません。歯周病の原因菌などの刺激によって、動脈硬化を誘発する物質が出て、血管内に脂肪性の沈着物がたまり、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞を引き起こす可能性があります。

また、歯周病は糖尿病の合併症の一つといわれていますが、歯周病により糖尿病が悪化することも分かってきています。歯周病と糖尿病はお互いに悪影響を及ぼし合う関係となっています」

Q.歯周病のメンテナンスのためには、どのくらいの頻度で歯科医に通うのがよいのでしょうか。その際、歯科医師はどのようなことをするのが一般的ですか。

園田さん「歯周病のメンテナンスの目的は、病気を再発させず、健康な状態を維持することです。まずはしっかりと歯周病の治療を行って、治療が終了した後は3~6カ月に1回の頻度でメンテナンスを行います。メンテナンスの期間はご自身での歯周病ケアの状況によっても変わりますが、一人一人が健康な歯の組織を維持できる頻度に合わせます。

歯周病によって溶けてしまった骨は、全てが元に戻るわけではありません。一度は侵された部位であり、症状が落ち着いても再発の多い病気ですので、引き続き健康な組織を維持するためにメンテナンスは欠かせません。

歯周病のメンテナンスは歯科医師と歯科衛生士がタッグを組んで行います。内容としては、歯周ポケットの深さの測定など歯の周辺組織の検査、歯垢(しこう)・歯石取り、歯磨き指導、生活習慣指導、『PMTC』と呼ばれる専門的な歯のクリーニングなどです。必要な場合、薬の処方やエックス線検査なども行います」

Q.定期的に歯科医院に通っていたのに、歯周病が悪化するということはあり得るのでしょうか。

園田さん「定期的に通っていても、悪くなることはあります。口の中から歯周病の原因菌を全て取り除くことはできません。そのため、日々の歯磨きなどに問題があれば悪化していきます。

軽度の歯周病は定期的なクリーニングで十分管理できますが、中程度のものになると、歯周ポケットの奥深くまで器具を挿入しないといけないので麻酔が必要になりますし、重度のものでは、麻酔をしてもなかなか汚れを取りきれないので、歯茎を切って剥がした上でのクリーニングとなります。

これが、いわゆる歯周病の手術になりますが、中には手術ができない、またはしたがらない歯科医師もいます。これは単純に歯科医師側の問題だけではなく、患者さんが自宅でのケア(ブラッシングなど)をしっかりできていないために、手術ができないケースもあります。

自身がどの程度の歯周病であるかを把握し、どのような形で治療に取り組んでいくかを歯科医師や歯科衛生士とよく話して決める必要があります。そして、実際に治ってきているのかどうかを検証することが大事です。そうでなければ、ただ定期的にクリーニングをしているというだけで実際には治っていないということも往々にしてあります」

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最終更新:9/10(火) 8:54
オトナンサー

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