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小島健輔が検証『ジーンズは復活するか』(日米比較編)

9/11(水) 5:00配信

商業界オンライン

アスレジャー台頭によるダメージも違った

 米国ではアスレジャー市場が拡大してもジーンズ市場は大きくは落ち込まず、17年以降はローカル回帰やワークウエア人気で回復しているが、わが国のジーンズ市場は縮小が止まらず、17年以降もヴィンテージデニムやダメージデニムなど点の回復はあっても市場規模の回復は見られない。この差はどうして生じたのだろうか。

 SPAや量販チェーンのPBジーンズが大勢を占めるのは米国とて同様で、NBからPBへの交代はわが国よりはるかに早かった。全米ベースの統計はないが、73年まで「リーバイス」の全ライン/サイズをそろえていた「GAP」のジーンズPB比率が過半を超えたのは70年代末期、100%になったのは92年だから、「ユニクロ」が100%PBになった00年より10年近く先行している。

 米国でもPBジーンズは「リーバイス」などNBジーンズのトレードオフ(お値頃な焼き直し)から始まり、90年代後期からデザイナージーンズ、00年代はセレブジーンズの影響が強まったが、リーマンショック以降はアスレジャーが台頭してPBジーンズもストレッチデニムやジャージデニムなどアクティブフィットを取り入れていく。

 アスレジャーをリードしたルルレモン・アスレティカ社の売上高は08年1月期(71店舗)の2.7億ドルから急増して12年1月期(174店舗)には10億ドルに達し、全米アパレルチェーンの16位(前年は21位)に躍り出ている。直近の19年1月期(440店舗)も24.1%増の32.88億ドルを売り上げて同7位まで上昇しており、勢いに陰りは見られない。

 ジーニングが日常生活に定着した米国市場では、アスレジャーの台頭でPBジーンズはアクティブフィットなど機能性を追求する一方、NBジーンズはワークウエアやヴィンテージなど本来の味わいを訴求して独自のポジションを守るという二極化が進み、ジーンズ市場総体は日本のように萎縮することはなかった。日本でもPBジーンズは機能性追求が見られるが、ジャージや合繊クロスのトラックパンツが拡大した分、ジーンズ市場総体は萎縮を余儀なくされた。この差はなぜ、生じたのだろうか。

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最終更新:9/11(水) 18:09
商業界オンライン

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