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スニーカーの“賞味期限”と加速するトレンドに踊らされないための処世術

9/11(水) 12:11配信

GQ JAPAN

現代スニーカー戦争に巻き込まれたフットウェア難民が学ぶべき“兵法”をmarble studioが解説する

【写真を見る】AJ1はいつが買いなのか!?

いつ買うか? それが問題だ

スニーカーというスポーツ用品がファッションシーンの中心となって久しい。日本ではスニーカー黄金期といわれる1990年代中盤から現在に至るまで、浮き沈みはあるものの、ある種のスニーカーが垂涎の的でありつづけていることに変わりはない。

90年代は、年に1回リリースされるAir JordanもしくはAir Maxの最新モデルだけを狙い撃ちできれば、向こう1年の足元は安泰だったわけであるが、時は流れ、リリースのペースは加速の一途を辿る。年に1回どころか月に1回、いや週に1回のペースで“ゲットすべき”新作がドロップされている(ように思われる)。あまりのリリース量に「何を本当に買うべきか?」を判断できかねている方も少なくないだろう。そんな迷えるスニーカー難民に、現代スニーカー戦争における処世の術を伝授したい。※ここでお伝えするのは、あくまでファッションの一部としてのスニーカーとの適切な付き合い方であり、スニーカーに心血を注いでいるコレクター向けではない。

まず、スニーカーの“賞味期限”を知ろう。飽きるタイミングは人それぞれだが、どんなに気に入ったスニーカーでも着用回数が臨界点に達すると履きたいという気持ちが薄れていく。ここでは客観的な目線も重要だ。流行ったモデルであればあるほど、“賞味期限”は短く、発売から1年も経てば(はたから見ると)ダサく見えてしまう可能性は捨てきれない。

スニーカーハンティングで獲物を逃したからといって、早まってプレ値で購入しないように。とどまる所を知らないスニーカーブームのように思えるが、一時に比べるとやや落ち着いてきているのが実情。オンラインは競争率が高いため、注目モデルであれば瞬殺されるが、実店舗に行けば意外と残っているものである。店頭に足を運べない場合は、フリマアプリの前に海外リテーラーのサイトをチェックしてみよう。話題のコラボモデルでも余裕で在庫があったりする。

次に復刻版について。80~90年代のアイコニックな名作モデルが数年おきに復刻されているが、オリジナルカラー以外には手を出さないことをお勧めする。これらは既にタイムレスな存在であるが、ブランド側が血迷って?リリースする不可解なカラーリング、異素材モデルやハイブリッドモデルは、無駄なトレンド感が際立ってしまい、先述の“賞味期限”問題が浮上する。

ついつい買い過ぎてしまって、お財布とクローゼットが悲鳴を上げている方は、自分なりの購入ルールを設けてみてはいかがだろうか。例えば、1足に投資する上限金額を設定する/ハイカットは買わない/インラインモデルは買わない/特定のブランドやモデルに絞って購入する etc。こういったルールを設けることで、スニーカーに費やしていたお金・時間・スペースを有効活用できるだろう。

スニーカーの“賞味期限”とあわせて、その“寿命”にも触れておこう。そもそもスニーカーは消耗品なのである。長年かけて育てる一生モノとは別の生き物だ。ソールが剥がれ落ちる加水分解はご存知の方も多いと思うが、合皮を使ったアッパーも時間の経過と共に朽ち果てるケースがある。名作と崇められる2001年製のAir Jordan 1を例にあげよう。AJ1は加水分解しないと誤解している方もいるかもしれないが、実際のところはAirがミッドソール内部で人知れず粉々になっていたり、人工ヌバックのスウッシュがボロボロ崩れていたりと、人間と同じで年齢には逆らえないのである。もはや5年以上前に製造されたスニーカーを購入することは賢い選択ではないのかもしれない。

そろそろ飽きてきた方もいそうなので、結論に入りたい。これまでの話を半ば覆すようで恐縮だが、結局のところ、自分が履きたいと思うものを履けばいい。トレンドや周囲の目を意識し過ぎて、愛着の持てない1足を無理やり履き続けるより、自分が本当に良いと思えるものを身に付けている方が心は満たされるはず。いずれにしても次から次へと新作が登場する。買い逃しても深追いせず、自分の軸がぶれない範囲で乗れる・乗りたい波に乗ればいい。

文・marble studio

最終更新:9/11(水) 12:11
GQ JAPAN

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