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橋下徹「韓国に分捕られた分をこう取り返せ」

9/11(水) 11:15配信

プレジデントオンライン

今回の日韓関係悪化の大元は、韓国大法院(最高裁)による徴用工判決だ。これに対して日本側は、輸出管理手続きの厳格化といった実質的な利益のない対抗手段ではなく、やられた分だけやり返すための法的な理屈を考えるべき。その手段とは?  プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(9月10日配信)から抜粋記事をお届けします。

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■韓国側の主張を分析したうえで日本の主張を徹底的に構築せよ

 今回の韓国大法院の徴用工判決には、それなりの法的理屈があることを本メルマガで詳論してきた。1965年の日韓基本条約・請求権協定があるからハイ終わり、と簡単に言えるものではない。お互いに解釈の余地が生まれ得る問題だ。ゆえに、その点を踏まえて、日本は日本の立場の法的主張を準備しておくべきだ。

 相手の主張を吟味することなく、自分の主張が絶対的に正しいものと信じ込んで法的論戦に臨むと、足元をすくわれる。韓国側の主張もそれなりに成立することを認識した上で、日本側の法的主張を徹底的に構築すべきだ。

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 さらに国際司法裁判所や仲裁委員会での判断を仰ぐ前に、国家の実力行使で解決するやり方もある。もちろん武力行使によらない実力行使だ。現在の日韓双方は、その報復合戦に突入している。ただし、実力行使を行うのであれば、その根拠を法的に構築すると同時に、これまでも散々論じてきたが、実害が最小限にとどまるような方法を採らなければならない。

■李承晩ライン拿捕事件を韓国政府に賠償請求できるか

 この点、日本の政治家やインテリの一部には、次のような歴史的事実を基に、「韓国政府」への実力行使を叫ぶ者がいる。

 1952年発効のサンフランシスコ講和条約によって日本が主権を回復する直前に、当時の李承晩韓国大統領が、日本海に李承晩ラインなるものを一方的に引いて、竹島を実効支配した。今の中国が南シナ海でやっているのと同じようなことをやったのである。日本は当時、主権が回復していなかったのでなす術がなかった。その後、サンフランシスコ講和条約によって日本の主権が回復し、本来であれば日本の漁船が漁業をできる地域においても、韓国は李承晩ラインを盾に、日本漁船を拿捕し、多くの日本人漁師が韓国側に拘束された。拘束時に死亡者まで出ている。

 この点について、日本側は韓国に補償請求しようとした。ところが1965年の日韓基本条約・日韓請求権協定時に、日韓の紛争は全て終結させる趣旨から、李承晩ラインに基づく日本漁船拿捕事件の補償は、全て日本政府が日本人漁師に行うことで決着した。自国民への補償は自国政府が行うという原則論である。そして実際、日本政府は日本人漁師に補償を行った。

 そこで、日本の政治家やインテリの一部は、この点を蒸し返し、再度「韓国政府」に直接請求すればいいと主張する。

 しかし、これは国際法上の「主権免除」という法的理屈を知らない主張だ。国際社会のルールにおいては、自国の裁判所において外国「政府」を直接訴えることはできない。すなわち日本の裁判所において「韓国政府」を直接訴えることはできないのである。「韓国政府」を直接訴えたいなら、「韓国の裁判所」で訴えるほかないのであるが、しかし、李承晩ラインを巡る補償について「韓国の裁判所」に「韓国政府」を訴えたところで、日本側が勝てる見込みはないだろう。韓国の裁判所では韓国側の法的理屈が採用されてしまうだろうから。

 この点、韓国の元徴用工側は、うまくやっている。今回の韓国大法院が下した徴用工判決を見て欲しい。これは元徴用工の韓国国民が「韓国の裁判所」において韓国国内の「日本企業」を訴えている。「韓国の裁判所」において「日本政府」を訴えることはできないが、韓国国内の「日本企業」を訴えることはできるのである。

 韓国国民が、徴用工問題で、「日本の裁判所」において、「日本政府」や「日本国内の日本企業」を訴えても負ける。先に述べたとおり、日本の裁判所は、元徴用工の個人補償について裁判所に訴えることはできないという立場だからだ。だから元徴用工たちは、自分たちの味方になってくれるだろう「韓国の裁判所」において韓国国内の「日本企業」を訴えて、勝訴判決を得たのである。

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最終更新:9/11(水) 15:35
プレジデントオンライン

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