ここから本文です

【岩政大樹】攻めながら守り、守りながら攻める――サッカーの肝を押さえた森保ジャパンはチーム、選手ともに成熟してきた

9/11(水) 17:10配信

SOCCER DIGEST Web

前半は予選の初戦としては最高と言っていい結果、内容とすることができました。

 2022年のカタール・ワールドカップに向けた長い道のりのスタートを森保ジャパンは2-0で危なげなく勝利。レベルの違いを見せつけました。

【ミャンマー戦|動画&記事一覧】採点&寸評、プレー分析、Pick up PLAYERS、各国メディアの評価、PHOTOギャラリーetc.

 ミャンマー代表はいつもの戦い方からシフトチェンジして日本に対してきました。基本システムは4-2−3-1ですが、この日は4−3−3にした上で、サイドハーフにも守備的で頑張れる選手を配置。6-3-1のような形で「守り倒すぞ」という決意で挑んできました。

 それに対し、日本代表はあえて少しラフなボールから試合を始めました。丁寧につなぐのではなく、長めのボールをミャンマーのゴール前に送り込むことを多用して試合に入ったため、立ち上がりの時間帯にミャンマー代表をばたつかせることができました。
 
 10分を過ぎたあたりからは徐々にバリエーションを増やして攻め込み始め、16分には待望の先制点。日本の新10番が存在感を改めて誇示しました。

 26分には南野選手が追加点。今や彼お得意のプレーとなった相手の背中から走り込む動き出しで完全にフリーになってからの1タッチゴール。継続してゴールを取るための動き出しを決してやめない選手に、いよいよ成長を遂げてきました。

 前半半ば頃からは相手の配置を見て、柴崎選手と堂安選手を中心に右サイドの攻撃を増やしていきました。ミャンマー代表の3ボランチの左に位置した9番はミャンマーのエースですが、元々トップ下でプレーする選手。守備の強度や戻りが甘いと見るや、そこを執拗に突いていった見極めも的確だったと思います。

 果たして、前半は予選の初戦としては最高と言っていい結果、内容とすることができました。

選手たちの頭を覗くとおそらくそれぞれに反省があるはず

 後半に入ると、ミャンマーも選手を入れ替え、攻撃に出て行く意思を持ってきたため、若干ですが様相は変化。一方の日本代表が少しゴールに向かう意識、ゴールを取りきるという意志が欠けてしまったことも相まって、停滞した時間も増えてしまいました。

 とはいえ、ミャンマーにほとんど危ない場面は作らせず。結局、ミャンマーの選手たちに「日本に勝てるかも」という思いを一瞬も浮かばせないような試合を演じることができました。

 それには、カウンターへの対処、とりわけ攻め始めから2次攻撃(つまりボールを奪われること)も織り込みながら攻め入っていく意識の置き方ができていたのが大きかったと思います。つまり、チーム、選手ともに成熟してきたことを示しています。

 サッカーは常に攻守が一体です。ボールを奪われたところから守備が始まり、奪ったところから攻撃がそのまま始まります。もっと言えば、攻めながら守り、守りながら攻める意識が必要ですが、それを90分間切らさずに続けることができていたと思います。そうでなければ、いくら力の差があろうとも、このように危なげない試合は作れませんから。
 後半には、パラグアイ戦で起用しなかった伊東選手、鈴木武蔵選手を使うこともでき、久保選手も短い時間で変化をもたらしてくれました。少し停滞した後半にはなりましたが、ワールドカップ予選の初戦です。少しトーンダウンするのは責められないでしょう。

 ただ、選手たちの頭を覗くとおそらくそれぞれに反省があるはず。「シュートを決めきる」「ボールを奪いきる」「パスを通す」「精度を高める」。それらは最終予選に向けて、あるいは3年後に向けて充分だったかと考えると、まだまだと感じているはずです。

 それをそれぞれが各クラブに持ち帰って、また10月にはより高みを目指していくための歩みが再スタートします。森保監督も選手も、今はその競争による上積みを第一としていると感じます。2次予選を戦う中で、新たな選手や新たなオプションが多く生まれていくことを期待しましょう。

【著者プロフィール】
岩政大樹(いわまさ・だいき)/1982年1月30日、山口県出身。鹿島で不動のCBとし2007年から前人未踏のJ1リーグ3連覇を達成。2010年の南アフリカW杯メンバーにも選出された。現在は解説者として活躍中。

最終更新:9/11(水) 17:10
SOCCER DIGEST Web

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事