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寺に1000万円払えと言われ…?「墓じまい」の大変さをご存知ですか

9/11(水) 10:01配信

現代ビジネス

遺骨を庭に撒くのは犯罪?

 「死に方」のルールが変わったのは相続についてだけではない。お墓や葬儀も、その実態や手続きがどんどん変わっている。

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 特に、単身者が増え、核家族化が進む中、先祖代々のお墓を維持することは難しくなっている。

 結果、お墓をつくらない「散骨」やお墓を承継しない「永代供養」、さらには受け継いできたお墓を整理する「墓じまい」が急増している。従来のお墓とはまったく違うこの3つの方法について最新の手続きを見ていこう。

 まず注目したいのは散骨だ。日本海洋散骨協会の広報担当、村田ますみ氏は語る。

 「私が運営する会社では'07年には散骨がたったの6件でしたが、昨年は500件を超えました。散骨を扱う業者も100社近くまで増えました」

 希望する人が増えれば、新しい規制も登場する。たとえば、'15年には熱海市で、散骨を岸から10km以上離れた海域で行うように規制するガイドラインが制定された。

 こういったことを知らないと思わぬ失敗をする危険がある。確実な散骨をするには、どんな手続きがあるのか。

 初めにやるべきなのは、実績と評判を調べて、信頼できる散骨業者を見つけることだ。そのうえで、生前に契約を結ぶ。

 「子どもがいる場合は、先に家族と話し合っておき、遺言書の付言事項やエンディングノートに散骨を希望する旨を書きましょう。子どもがいない人であれば、行政書士等に依頼して、公正証書で死後事務委任契約を作成し、散骨の希望を明記します」(大塚法務行政書士事務所代表・大塚博幸氏)

 このとき安すぎる業者を選ばないよう注意しよう。散骨費用の相場は、遺骨を業者に預けて撒いてもらう場合は1体5万円から、複数の遺族で同じ船に乗る場合は10万円から、船一艘を貸し切りにする場合は20万円からだ。

 「危険なのは総額2万円以下の格安業者です。お骨をゆうパックで送り、業者にたまったらまとめて船を出す。実際に遺骨がどこにいったのかもわからないため、ここまでいくと、ゴミ捨てと一緒です」(前出・村田氏)

 法的な裏付けのある書類ではないが、散骨をすると業者から散骨証明書が発行される。散骨した場所の緯度、経度、日時が記録として残る。

 また、遺骨の一部を分けておき、小さいビンなどにいれて家に置いておく手元供養を選ぶ人も多い。これで、遺骨を全て手放してしまったと後悔をすることも避けられる。

 では、海ではなく山や、自宅の庭に散骨をすることはできないのか。答えはNOだ。

 実は、遺骨を骨だとわかる状態で屋外に放置した場合、刑法190条死体遺棄罪で3年以下の懲役を科される。また、砕いた状態で撒いたとしても他人の土地に風に乗って移動すれば、トラブルの原因になる。

 自分でやろうとするより、経験豊富な業者を見つけるほうが確実だ。

 散骨なら自分のお墓は不要になる。だが、代々受け継いだお墓についても整理をしないと、子どもに面倒を押し付けることになる。最新の墓じまいの手続きを学んでおこう。

 墓じまいで重要なのは、役所での手続きだ。埼玉県飯能市のお寺から、東京都小平市の霊園へお墓を移す例で考えてみよう。

 まず新しいお墓がある小平市の霊園の管理者から、受入証明書を発行してもらう。次に、飯能市役所の窓口かHPで改葬許可申請書を入手する。それから、今お墓があるお寺には墓じまいをしたいということを伝え、埋蔵証明をもらう。

 これを改葬許可申請書と合わせて飯能市の窓口に提出する。ここで厄介なのは、改葬許可申請書がお骨一体一体に必要な場合があることだ。

 「お墓に10体のお骨が入っていれば、10枚分の手続きが必要です。それぞれの名前と亡くなった時の住所、さらには死亡日と埋葬した日付を書きます。お墓が古くてわからなければ『不詳』と書いて手続きを進めます」(NPO法人やすらか庵代表・清野徹昭氏)

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最終更新:9/11(水) 17:25
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