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なぜ、コンビニのコーヒーは破格の「1杯100円」を実現できたのか?

9/11(水) 8:01配信

現代ビジネス

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利益の95%は「価格戦略」で決まる! そう説くのは、著書『「値づけ」の思考法』で知られるマーケティング学の大家で、法政大学教授の小川孔輔氏だ。「1杯100円」が当たり前になった、いわゆるコンビニコーヒー。こうした「価格破壊」は、なぜ起きたのか? そもそもコンビニ各社は、なぜコーヒー市場に参入したのか? 小川氏に裏事情を解説してもらった。
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大成功した「セブンカフェ」

 コーヒーといえば、日本のカフェ業界を牽引してきたドトールとスターバックス。

 この2強をはじめとして、ドトールの系列ブランドであるエクセルシオールカフェやカフェコロラド、いわゆる老舗喫茶店と呼ばれるルノアールやシャノアール、珈琲豆へのこだわりを強く感じさせる珈琲館、シアトル系カフェチェーンに分類されるタリーズやブレンズコーヒーなど、熾烈な競争が繰り広げられています。

 さらには、サードウェーブコーヒーの代表格といえるブルーボトルコーヒー、マクドナルドのマックカフェも存在感を示しており、すでに市場は飽和状態に達しているように思われます。

 それなのに、なぜコンビニ(コンビニエンスストア)は、あえて淹れたてコーヒーに参入したのでしょうか? 
 近年、コンビニ各社が力を入れている淹れたてコーヒー。たとえばセブン-イレブン・ジャパン(以下、セブン-イレブン)は、コーヒーサーバーサービス「セブンカフェ」を展開中です。

 2010年からセブン-イレブンのクリエイティブディレクションに関わっているデザイナーの佐藤可士和氏が、店頭に設置されるコーヒーサーバーから砂糖やミルクのパッケージに至るまで、すべてのデザインワークを担当したことでも話題になりました。そして、価格は、破格値の1杯100円です。

「ついで買い」で売上を伸ばす

 2013年1月にコーヒーサーバーサービスはスタートし、セブン-イレブン全店(当時、約1万6千店)への導入が完了した同年9月には2億杯の販売数量を突破。セブンカフェは登場からわずか1年で日本のコーヒー消費量の1%弱を占める存在になり、2018年度には販売数量が11億杯を突破しました。

 じつは、セブン-イレブンがセブンカフェを導入する前に、ローソンは「マチカフェ」(2011年)、ファミリーマートは「ファミマカフェ」(2012年)を展開しています。導入が競合他社より遅くなったにもかかわらず、セブンカフェが圧倒的な優位に立っています。

 そもそも、コンビニ各社はなぜコーヒー市場に参入したのでしょうか? 
 結論からいえば、コンビニにとってコーヒーは、1回で2度儲かる魅力的な商品だからです。まず、単体の商品として利益が見込めます。コーヒーの原材料費は価格の2割~4割程度。コーヒーサーバーのほかに設備投資の必要はなく、他の商品に比べて利益率が高いといえるのです。

 さらに、もう1つの理由があります。スターバックスの売上を支えているのは、コーヒーと一緒に買われるケーキやプリン、それからサンドイッチなどのサイドメニューです。

 これは、コンビニも同様で、コーヒーと一緒にデザートやサンドイッチを購入するお客が2割ほど存在します。つまり、コーヒー単体だけでなく、お客の「ついで買い」を促して、ダブルで儲けているのです。

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最終更新:9/11(水) 8:30
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