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女子アスリートと「結婚・妊娠」問題 横峯さくらが描く「=引退」じゃない支援の形

9/11(水) 11:13配信

THE ANSWER

「結婚=引退」と考えていた横峯を変えた米LPGAツアーでの光景

 アスリートにとって、そのキャリアの中で転機となるポイントがいくつかある。プロになった時、怪我をした時、30歳を迎えた時、チームやコーチが変わった時、結婚した時……。こういった転機の中でも、女性アスリートにとって最も大きなターニングポイントになるのが「妊娠・出産」だろう。

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「妊娠・出産」はアスリートに限らず、様々な分野でキャリアを持つ女性にとって、一度は考えるトピックス。「妊娠・出産」ともなれば、一時的にキャリアを離れなければならず、これを機に離職・転職をする人も多い。最近では、育児休暇や早期復職する場合の託児サポート、女性だけではなく男性の育児休暇を認める企業など、子育てに優しい企業が増える傾向にあるが、一方で日本のスポーツの現場では「妊娠・出産」に対するサポートは不十分だと言わざるを得ないだろう。

 2004年のプロテスト合格以来、日本女子ゴルフ界を牽引してきた横峯さくらは、キャリアを歩む中で漠然と「結婚したら引退するんだろうな」と思っていたという。結婚をすれば、そのうち子供も生まれるだろう。だが、当時の横峯には子供を産み、育てながらゴルフを続ける自身の姿を思い描けなかった。

「もちろん、中にはお子さんを育てながらゴルフをなさっていた方もいましたが、私には結婚、出産とゴルフを両立するイメージができませんでした。女性としての幸せか、ゴルファーとしてのキャリアか、どちらかを選ばなくてはいけないのかな、と。また、それが当たり前だと思っていたんです」

「引退を考えなくてもいいんだ、女性としての幸せもゴルファーとしてのキャリアも両立できるんだ」

 横峯が思い描いていた「結婚、妊娠=引退」という図式を根底から覆したのが、2015年から本格参戦した米LPGAツアーで見た光景だった。ツアー会場にはLPGAが運営する託児所があり、ママさんゴルファーは朝、子供を託児所に預け、そのまま試合に参加。その日のラウンドが終わった後、子供を託児所に迎えに行き、夕食は家族でとる。子育てとゴルフが両立できる環境があることに「衝撃を受けました」と振り返る。

「あ、引退を考えなくてもいいんだ、女性としての幸せもゴルファーとしてのキャリアも両立できるんだって、この衝撃は大きかったですね。日本の女子ツアーには、こういった女性を支援するシステムがまだなくて、出産した後に競技に復帰する場合は家族の協力が得られればいいですが、そうでない場合は自分で託児所やベビーシッターを探さなければならないんです。

 なので、日本にもこういう支援システムがあればいいな、そうすれば、みんな安心して競技に専念できるし、長く現役生活を送れるんじゃないかなって思っていました」

 出産後に競技に復帰したくても、子供を預ける場所が見つからず、競技復帰を諦めてしまった女性アスリートは少なくない。例えばそこに、米LPGAツアーのように競技団体が主となって女性の競技復帰をサポートするシステムがあれば、競技を続ける選択をした人もいただろう。

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最終更新:9/11(水) 11:57
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