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業界トップの Twitch が対峙する、ライバル勢と問題の数々

9/12(木) 8:51配信

DIGIDAY[日本版]

Twitch(ツイッチ)の人気ストリーマー、Ninja(ニンジャ)は8月初旬、配信拠点をマイクロソフトが有するMixer(ミキサー)に切り替えた。TwitchはAmazonのゲーミングプラットフォームであり、Mixerはそのライバルとして見られている。こうした移籍は、高名なストリーマーとしては最初の事例だが、業界の事情通はこれが最後ではないと予測しているという。

Ninja氏がTwitchからMixerへの移行を公表してから数日間に、eスポーツの某タレントエージェントのもとには、元クライアントたちから問い合わせが山のように届いた。その内容は、Mixerだけでなく、同じくTwitchのライバルであるCaffeine(カフェイン)も相当額で他のスターの引き抜きを狙っているのではないか、というものだ。

「彼ら[Mixer]があと1~2人引き抜いて、いわば雪崩を引き起こしたとしても、驚きはしない」と、そのエージェントは語る。「Ninjaだけじゃ、無駄金になりかねない」。

eスポーツ界を代表するスターの離脱に、ストリーマーの動物虐待や差別的発言といった一連のスキャンダルが重なった結果、Twitchに対するゲーマーと広告主双方の見方に変化が生じている。複数の現役および元Twitchストリーマーの話では、Twitchは大勢のクリエイターからなる巨大コミュニティのサポートに苦心しており、コミュニティガイドラインやサービス規約に関する不透明な部分も依然多いという。こうした問題がクリエイターだけでなく、広告主の間にも懸念や欲求不満を生んでいる。

Twitchが抱える苦悩

Twitchはたしかに、依然としてライブストリーミングオーディエンスの圧倒的シェアを誇っており、Amazon Primeとのタイアップや独自の機能/特性はストリーマーの大きな魅力となっている。だが、豊富な資金に恵まれた、強力なライバルが台頭しているのもまた事実だ。たとえばCaffeineは、共同オーナーのニュー・フォックス(New Fox)が先頃1億ドル(約106億円)の資金調達に成功しており、ハードコアゲーマーに好まれるよりシンプルかつ高速な製品をユーザーに提供している。マイクロソフトが2016年に買収したMixerはWindows 10とXboxに組み込まれており、同社による最新の四半期収益発表によると、月間アクティブユーザー数は6500万人に上る。

Twitchに対してコメントを求めたところ、次のような回答があった。「人々に共創力を提供することが弊社のミッションにほかならない。弊社はストリーマーとコミュニティが彼らの愛するゲームやトピックを通じて繋がるための力になるべく、その実現のための優れた方法をつねに探している。弊社の行動はすべてコミュニティのためにある。ガイドラインとサービス規約はコミュニティを安全に維持するためのものであり、いかなるルール違反も極めて深刻に受け止めている」。

Ninja氏の離脱とTwitchストリーマーによる騒動はいずれも、ライブストリーミングへすでに投資している広告主には、とくに影響しないものと思われる。だが、投資するか否か決めかねている者たちが、これを機にさらに及び腰になることは、十分に考えられる。

「実際に何が起きているのか、なかなか耳に入ってこないのは困りものだ」と、eスポーツとゲーミングにフォーカスするスポーツマーケティングエージェンシー、リヴォリューション(Revolution)の一部門Rev/XPのシニアディレクター、ケン・オルセン氏は語る。「それが多少なりとも、シーン発展の妨げになっている気はする」。

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最終更新:9/12(木) 8:51
DIGIDAY[日本版]

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