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西武の追い上げは、中村剛也が効いてます。優勝への不安は…/デーブ大久保コラム

9/12(木) 11:06配信

週刊ベースボールONLINE

 監督は、ただ座っているだけでチームは勝ってしまう。理想のような球団、それがソフトバンクです。投打において選手の個々の能力が非常に高く、自分が何をやれば試合に勝てるかを一人ひとりが知っている。監督は、選手たちをいかに気楽に試合に臨めようにするか、という環境だけを整えるだけでいいんです。それが1位とはいえ2位の西武に1ゲーム差(9月5日現在)まで追い上げられました。

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 すごく不思議な感じでソフトバンクを見ています。「チーム内で何があったんだろうか」と。もちろん、優勝までの道のりは、山あり谷ありですので、谷の時期だと思えばいいのですが、2位のチームに1ゲーム差まで詰められるようなチームじゃないはずです。

 一方、2位の西武。リーグ2連覇を目指しています。しかし彼らの頭の中には「連覇」の意識はないはずですよ。それは西武の伝統的な「優勝以外は2位も最下位も一緒だ」の考えがあるからです。もうソフトバンクが目の前ですから、残り15試合を切った中で、やってやるぞ、の気持ちがわいていると思いますね。

 その西武において途中から四番に座ったサンペイこと中村剛也の活躍が目立ちますよねえ。9月5日現在で打率.292でホームラン27本ですか。それよりもいい場面で本当によく打ちますよね。まあ、サンペイの場合、良くも悪くも動揺しないというのがいいんです。そういう性格なので、打席の中で、いつも同じようにゆったりと構えてボールを待てるんです。

 一方、昨季の本塁打王で四番だった山川(山川穂高)。今打てなくなって下位打線の1人として打席に立っています。彼は本来スキのない打者なんです。でも打てなくなってくると、精神的に焦ってしまう。それがバッティングにも出てしまい、ボールとバットが衝突する打撃となり、すべて詰まらされる形の凡打になるんです。そうなるとさらに焦るため、内角胸元をえぐられ外の変化球で打たされるという悪循環が起こってしまいます。それが現在の山川の打撃です。

 そこで実績のあるサンペイが四番に入り、いい流れの打線になっていますよね。このまま、ソフトバンクに追いつき、追い越したいところですが……不安材料があります。それは先発陣。昨季16勝(5敗)を挙げた多和田(多和田真三郎)が現在二軍、大エースだった雄星(菊池雄星)(昨季14勝4敗)も、今年いませんよね。しかも、それに代わるようなしっかりした投手の柱がいない。高橋(高橋光成)は2ケタ勝利していますが、まだ不安が残ります。ここをどうしのいでいくのか……。

 それと9月5日現在で、7勝10敗と負け越している楽天をこれからどう攻略するかです。残り8試合で7試合がビジター。特に締め切りの関係で勝敗は分かりませんが、6日からの3連戦で勝ち越せるのか。そこも優勝争いに大きくかかわってくると思います。(※2勝1敗で勝ち越し)

『週刊ベースボール』2019年9月23日号(9月10日発売)より

PROFILE
大久保博元/おおくぼ・ひろもと●1967年2月1日生まれ。茨城県出身。水戸商高から85年ドラフト1位で西武に入団。トレードで巨人入りした92年に15本塁打。95年現役引退。野球解説者やタレントを経て、2008年に西武コーチに就任し日本一に貢献。12年からは楽天打撃コーチ、二軍監督を経て15年に一軍監督に就任した。15年限りで辞任し、16年から野球解説者をこなしながら新橋に居酒屋「肉蔵でーぶ」を経営している。

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最終更新:9/12(木) 11:30
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