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「日本一の子育て村」の秘密

9/12(木) 20:17配信

Japan In-depth

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【まとめ】

・島根県邑南町の斬新な「嫁探し」事業に多くの女性が応募。

・移住者増を目指し「A級グルメのまち」を打ち出した。

・「日本一の子育て村」も標榜し、出生率を2.61に押し上げた。

企業再生にしても、地域再生にしても近道はない。危機感を抱き、動くことが第一歩だ。「このままでは、わが社、わが故郷が消滅する」。そんな思いを強くすれば、抵抗があっても、突き進むことが可能だと思う。効果が出てくるのは、時間がかかるかもしれないが、攻め続けることが大事だ。楽観論を振りまき、これまでの政策を自画自賛している地域に未来はない。

私は1990年に時事通信社に入社した。駆け出しのころ、島根県に赴任した。松江支局の記者として、県内をくまなく取材した。当時、島根県が抱える最大の課題は、少子高齢化だった。高齢化率は全国トップを走っていた。県庁は定住対策を掲げ、各市町村は奔走した。

それから四半世紀あまり。状況は一変した。今年の人口動態調査によれば、出生率は1.72で、沖縄に次いで全国2位だ。現場の努力が実を結びつつあると思う。

私が強烈に印象に残っているのは、県西部の石見町(現邑南町:おおおなんちょう)だ。露骨な定住対策を実施し、話題となった。私は松江市から3時間ほど運転して、現地を訪れた。それは、全国の独身女性に1年間住んでもらう政策だ。

「ハーブの栽培や農作業をしませんか」と呼び掛け、風呂付きの個室を用意。しかも、月7万円支給するものだった。町はこの事業のため、滞在施設とハーブづくりの作業場を建設した。現金も用意した「嫁探し」事業である。当時としては斬新すぎる政策だ。批判も出ていたが、町長は実施を決断した。

結果的にハーブづくりは若い女性の心を捉えた。6人の募集に71人が応募してきた。コンピューターに取り囲まれたり、時間に追われたりする生活に疑問を感じ、応募する若い人が多かった。私は当時、『地方行政』という冊子にこう書いた。

「こうした女性たちが、人の流れを変える起爆剤になる可能性が十分ある。都会へ人が流れる一方で、田舎で生きるライフスタイルが増えてもいいではないか。彼女たちの笑顔をみながら、そんなことを感じた」

当てずっぽうで書いた締めの言葉だが、移住という点では大きな成果を上げた。2013年までに102人の研修生のうち、実に34が町に定住した。さらに、研修生キッズと呼ばれる子供たちも29人。人口増に大いに貢献した。

この石見町を引き継いだ邑南町は、今ではA級グルメのまちとして知られている。B級グルメがあふれる中、あえて打ち出した。

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最終更新:9/12(木) 20:17
Japan In-depth

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