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【印象派の傑作が上野に大集結!】マネが描いた女性の視線のナゾを解く

9/12(木) 14:30配信

webマガジン mi-mollet

  東京都美術館で開幕した「コートールド美術館展 魅惑の印象派」。

写真によるコートールド邸の再現。(「コートールド美術館展」より)

ロンドン・テムズ川河畔にあるコートールド美術館。大富豪コートールド氏のコレクションが礎となって誕生した、印象派などフランス近代絵画の美の殿堂です。その美術館所蔵の名作が、この秋こぞって来日、話題を呼んでいます。
マネ最晩年の傑作『フォリー=ベルジェールのバー』、ルノワール、セザンヌ、ゴーガン……。この秋、上野に集結する巨匠たちの傑作。冨田 章著『代表作でわかる 印象派BOX』を参考に、卓越した審美眼を持つコートールド氏が集めた名品を見てみましょう。

 

マネ(1832-83)最後の大作『フォリー=ベルジェールのバー』。フォリー=ベルジェールは、パリで人気のカフェ・コンセールでした。アトラクションを催すミュージックホールは、ガス灯が燈り、夜も出歩くブルジョワジーが増えた時代の象徴とも言えます。マネが描いた近代化の進むパリの生活。
カウンターに立つこの女性のうつろな視線の先には何があるのでしょうか。

フォリー=ベルジェールの中のバー、カウンターの女性の背後にあるのは大きな鏡。余興に見入る観客席の様子が映っています。画面右側には、ややずれていますがカウンターに立つ女性の後ろ姿。その正面に立つ男性の姿。つまり、正面から絵を見ている私たちは、この女性の正面に立つ男性なのです。虚ろな表情の女性。賑わう店内での孤独。投げかけられる視線は、「現代」に迫るマネの視線でもあるのでしょうか。
ワインやシャンパンの並ぶ中、赤い三角形が商標の「バスペールエール」。これはナポレオンが好きだったというビールです。この傑作はマネが亡くなる前年、1882年に描かれました。

パリの華やかな社交の場を描く

ブルジョワの都市生活をモチーフにした一枚。劇場の桟敷にいる男女を描いたこの作品は、第1回印象派展に出品された。黒と白が基調の作品であるが、暖色系の色彩を巧みに配することで、華やかな作品に仕上がっている。男性は舞台そっちのけで他の観客ウォッチングに余念がない。劇場が社交の場でもあったことがわかる。(『代表作でわかる 印象派BOX』より)
さて、男性の視線の先にあるものは?

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最終更新:9/12(木) 14:30
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