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相続した実家を「空き家」のまま放置…固定資産税が6倍に!?

9/12(木) 11:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

争いが絶えないことから「争族」と揶揄される「相続トラブル」。当事者にならないために、実際のトラブル事例から対策を学ぶことが肝心です。今回は空き家の実家が原因で起きた相続トラブルを、円満相続税理士法人の橘慶太税理士に解説いただきました。

「相続した実家」がトラブルの引き金に

親が亡くなり不動産を相続した、というような話をよく聞きます。しかし「相続した家に住む」ということはなく、「とりあえず持っておく」というケースも多いようです。

今回は、この「とりあえず持っておく」という判断が招いたトラブルを紹介します。登場人物は以下の通り。

●母(地方都市在住)

●長男Aさん(東京在住)

●長女Bさん(実家に比較的近い地方都市在住)

Aさんは、2人兄妹。大学進学を機に東京に出てきて、そのまま就職。結婚し、子供が生まれ、郊外に一軒家を購入し幸せに暮らしています。また長女も結婚を機に実家を出て、実家から電車で1時間ほどの街で暮らしています。

父はAさんが大学生のころに亡くなり、地方にある実家(一軒家)には母が一人で住んでいます。高齢者の一人暮らしは心配だと、Aさんは東京に来るよう提案したこともありました。しかし生まれてからずっとこの街を離れたことがないからと、頑として、自宅を離れようとはしませんでした。

「Bが比較的近くに住んでいるから、何かあっても大丈夫だろう」

そう考えていたある日、母が亡くなりました。突然のことにAさんもBさんも、ただただうろたえるばかり。悲しみにも包まれるなか、なんとか葬儀を終えました。実家に集まっていた親戚は帰り、兄妹2人だけが残されました。

「忙しくて悲しくて……。まだ母さんが亡くなったなんて信じられないよ」

「そうね、突然のことだったもんね……。ところで、この家、どうしようか?」

「うーん、父さんや母さんとの思い出が詰まった家だからな。手放したくはないんだが」

「そうよね。でも私も兄さんもそれぞれ家があるじゃない。ここに住むというわけにはいかないし……」

「じゃあ誰かに貸す?」

「こんなボロボロの家、誰が借りてくれるのよ。築60年くらい経つんじゃない?」

「そうか」

「とりあえず、兄さんが持っているというのはどう? 将来、こっちに戻ってきて住んでもいいんだし」

「でも管理するのも大変だしな」

「それくらいなら、私だって協力するわよ。ここには1時間くらいで来られるし、たまに掃除くらいするわよ」

「本当かい、それなら安心だ」

このような話し合いのうえ、兄が実家を相続し、わずかな貯金は長女が相続することになりました。

それから数年後、Aさんのもとに1通の封書が届きました。

「ん? 地元の役所からだ。何だろう?」

封を開けると「勧告書」と書かれた紙が入っていました。Aさんは何のことか、まったくわかりませんでしたが、ネットなどで色々と調べながら読み進めていくうちに、Aさんは血の気が引いていくのを感じました。そして急いでBさんに電話をかけました。

「おいB! 最近実家、見に行ってるのか?」

「見てるわよ」

「嘘つけ、役所から『勧告書』が届いたんだ。実家がボロボロで、もう人が住む所とは言えないから、税金を高くするぞという内容だ。調べたら、来年の固定資産税が6倍にもなるんだぞ!」

「えっ6倍!? 確かにここ1年ほどは見に行ってないけど……」

「お前がたまに見てくれると言ったから、俺はあの家を相続したんだ。このままだと、税金で200万円ももっていかれんだぞ! 増える分の税金は、お前が払えよ!」

「なによ、ただで掃除や管理をやらせようとするから、そうなったんじゃない。あの家は兄さんのものなんだから、私には関係のないことよ」

「なんだと!」

Aさんは怒りのまま電話を切り、次の休みの日に、実家を見に行くことにしました。そして目の当たりにしたのは、実家の変わり果てた姿でした。窓ガラスは割られ、壁には落書きがされ、草木は伸び放題で道路にまではみ出し、歩行者の通行の邪魔になっていたのです。

「なんだ、これは……」

あまりに変わり果てた実家の姿に、Aさんはしばらくその場を離れることはできませんでした。

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最終更新:9/12(木) 11:00
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