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1000坪相続から8億円借金に転落した男の末路

9/12(木) 11:15配信

プレジデントオンライン

東京・池袋で消費者金融業(通称:街金)を営むテツクル氏のもとには、さまざまな理由で多額の借金を抱えた人が訪れる。今回の客は、悪徳業者にだまされ債務が8億円にまで膨らんでいた。男性にいったい何が起きたのか――。

 ※本稿は、テツクル『ぼく、街金やってます』(ベストセラーズ)の一部を再編集したものです。

■にこにこしながら近づく人には気をつけろ

 お金持ちの人がいたら、ぼくはこう言います。

 にこにこしながら近づいてくる人には気をつけたほうがいいよ。

 ただの空き巣や強盗に入られるくらいだったら、身ぐるみはがされることはたぶんありません。人間が持ち出せる量には限界がありますから。殺されなければ、かすり傷。

 でも、にこにこしている人たちが使うのは力ではなくて、アタマです。アタマを使って、あなたの資産を根こそぎ狙ってきます。

 Gさんは、地方都市の地主のひとり息子でした。地主といっても、そのへんの自称地主ではなく、本物のザ・地主です。

 自宅の敷地は1000坪くらい、門から80メートルくらいの奥まったところに大きな屋敷があり、そこが住まいです。その周りにアパートや駐車場も持っています。

 物静かで、世間知らずのGさん。服装や持ち物にも無頓着で、とても莫大な資産を持つ人には見えません。

 そんなGさんがぼくのところに来たのは、借り換えの申込みでした。謄本を見ると、広大な土地やアパートを担保に、短期間に借り換えを繰り返しています。

 一緒に来たブローカーの隣にちょこんと座るGさん。

 「えーと、借り換えですよね」
「……はい」
「なんでまた借り換えするんですか?  この前もしてません? 」
「大丈夫です、支払いはできますから……」

■街金の次は反社会的勢力からも借金

 何かおかしい。借り換えすれば、紹介したブローカーには手数料が入ります。

 「いい条件で貸してくれるところ、紹介するから」

 うまいこと債務者を言いくるめて、必要のない借り換えを繰り返させて借金を膨らませていく悪徳ブローカーというのは確かにいます。

 借りる額が多ければ多いほど実入りも増えるので、ブローカーも頑張ります。理由はわからないけど、Gさんの意思とは関係なく借り換えをしている感じです。

 でも担保もあるし、本人が借りたいと言ってるんだから、貸しました。街金ですから。

 そんな温厚で実直そうなGさんだったのに、予想外の事件が勃発しました。ぼくが設定した抵当権の次に、反社のフロント企業の抵当権が設定されたんです。お屋敷に乗り込み、一括返済を求めます。

 「Gさんさ、反社の人から借金したよね?  そんな債務者とはもう付き合えないから、いますぐ全額一括で返してよ」
「いや、無理ですよ、そんなの」
「あのね、契約書に反社条項ってあるの。Gさんがルール破ったんだから。いますぐ返せって言ってるんだけど」
「そんなの知りませんよ」
「いやいや知らないって何?  ハンコ押してるのおまえだろ!  眠たいこと言ってんじゃねーよ!  返せないならまた借り換えしろよ」
「いや……だって……すぐには……」
「あのさあ、いい加減にしろよこの(自粛)」

 Gさんをなだめすかしてよそで借り換えさせて、無事回収完了。

■取り立てた後に首をつって自殺

 Gさんのことも忘れかけていたころ、Qさんという弁護士から電話がありました。

 「わたくし、Gさんの財産を管理している者ですが、テツクルさんはGさんのことご存知ですよね? 」
「あー、あの地主さんね。昔、ウチのお客さんだったかな」
「亡くなったんですよ、首つって自殺です」
「はい? 」

 街金で働いていると、債務者の死にぶつかることがたまにあります。でも、ぼくが取立て厳しくやりすぎて、というのは一度だってありません。本当です。

 「そうですか、ご愁傷さまです。で、何か? 」
「テツクルさん、Gさんに何かひどいことしてませんか?  たとえば取立てのときとか」

 屋敷に乗り込んだときのことが頭をよぎります。でも違法行為はしてないし……。ちょっと怒鳴ったくらいだし……。

 「いやいやいや、そんなことするわけないじゃないですか。闇金じゃないし。確かにトラブルはあったけど、そこはちゃんとした話し合いで解決を……」
「実はGさん、毎日細かく日記をつけていて、そこに『テツクルのやつにひどいことを言われた。あいつだけは許せない』とか、すごく細かく書かれてるんですよ、(ピー)と言われたとか、(ピー)と怒鳴られたとか……。ちょっと話を聞きたいんですが」
「日記?  なんすかそれ……」

 滝汗です。

 Gさん、そういうのは墓場まで持っていって……。

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最終更新:9/12(木) 13:40
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