ここから本文です

日本の家庭料理はハイスペックすぎる。世界の食卓は意外と質素

9/12(木) 6:01配信

現代ビジネス

 料理研究家としてレシピ制作活動の傍ら、「コウケンテツのアジア食紀行」「コウケンテツのアジア旅ごはん」「コウケンテツの世界幸せごはん紀行」(全てNHKBS-1)という番組を10年以上続けさせていただいております。わたしが世界各国を旅しまして、素敵な人々と出会い、その地域の家庭料理を教わるという内容です。

フランス人がフライパンを熱いうちに絶対洗わない理由

 今回はそんな旅で学んだ「日々のごはん作り、食卓のあり方」についてざっくばらんに書かせていただこうと思います。

日本の家庭料理はハイスペックすぎる

 最近、毎日の献立を考えるのが苦痛だという声をよく聞きます。お仕事、保護者として学校の活動、地域活動、日々の家事、習い事の送り迎え、育児に毎日のお弁当にごはん作り……今のママ(パパも)はやならないといけないことがあまりに多い。実際みなさんどうですか? あまりストレスなく元気にこなせています? それとも全てをひとりで抱え込んでいる状況ではないですか? 
 なぜ献立づくりはしんどいのか。その理由として、

 1) 日本の家庭料理は求められるレベルがあまりに高すぎる、“ワールドワイドハイスペック家庭料理”

 2) ワンオペ育児、ワンオペ料理。家庭で料理を担当している方(主にママでしょう)にひたすら負担がかかってしまう

 などが挙げられるのではないでしょうか。そもそも毎日違う種類の献立が食卓に上がるのが当たり前だと思われている方が多いようですが、それはちょっと違いますから! 

パリの女性「平日は自宅で料理しないわよ」

 たとえば――。去年フランスにロケに行かせていただいたときに撮った、パリのあるご家庭の朝食です。バゲットにバターとジャム塗っただけ。これが典型的なパリの朝食。ほとんどのご家庭がこんな感じです。

 子どもにいたってはシリアルで済ませるケースが多いです。昼も夜もデリのお惣菜など、いわば「並べるだけのごはん」。むしろ「平日は自宅で料理をしないわよ」と宣言されている方が多く、これはかなり衝撃でした。

 しかしそれには理由があります。フランスの女性の就業率は80~85%以上だと言われています。ほとんどの方がお仕事をされているのですね。フランス語で「engagé」と言う言葉があります。積極的に参加すること、という意味ですが、特に政治、社会参画することの意味合いが強いようです。主婦の方も積極的に社会活動をされる方が多く、とにかく時間がない。

 取材先の女性に聞いたのです。「栄養バランス心配じゃないですか?」と。こう返されました「家で料理を作ってばかりだとわたし自身が輝かないじゃない。わたしが輝いてこそ家族が輝くのよ!」と。……な、なるほど。

 基本的に、「家族が、人が、社会が幸せになるには、まず自分自身が幸せにならないと」という考えがみなさんの根底にあり、だからこそ日々のごはん作りに対して決して無理しない。だからこそできる範囲で家族やパートナーで協力し合い、ごはんを作って食べる。その姿がとても印象的でした。

1/4ページ

最終更新:9/13(金) 4:55
現代ビジネス

記事提供社からのご案内(外部サイト)

「現代ビジネスプレミアム」

講談社『現代ビジネス』

月額1000円(税抜)

現代ビジネスプレミアムは「現代ビジネス」の有料会員サービスです。2万本以上の有料記事が読み放題!会員だけの特別記事も配信。豪華ゲストによるセミナーも開催中。

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事