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日本人は、実は「助け合い」が嫌いだった…国際比較で見る驚きの事実

9/12(木) 7:01配信

現代ビジネス

日本人の「助け合い精神」その実際のところ

 2011年、東日本大震災が発生した直後、被災地の支援・復興のため、多数のボランティアと多額の寄付金が日本全国から集まった。自然と湧き上がった人々の助け合いの気持ちに、激しく心を揺り動かされた人は決して少なくなかったはずだ。あの時、私たちは「やっぱり日本人には、強い助け合いの精神があるんだ!」と再確認できたような気になっていた。

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 しかし、それは一時的な熱狂にほだされる中で目にした「錯覚」だったのかもしれない。国際比較の観点から見れば、平時において「日本人に強い助け合いの精神がある」とは言い難い。むしろ現状では、「困っている他者に冷淡な日本人」と言った方がより正確なのかもしれない。

 確かに近年の日本では、NPO法人など社会貢献活動を担う組織の数は激増している。企業の社会貢献活動も普通に見られるようになった。ソーシャル・ビジネスなどで活躍する「社会起業家」の存在がメディアで取り上げられることも多くなった。

 しかしながら、多くの一般の人々が行う寄付やボランティア、あるいは地域社会やNPOへの参加は、残念ながら3.11以後も低調なまま推移している。積極的に「共助」活動に関わる者は、依然として一部の人々に限られている。大規模災害時などの非常時を除けば、日本人の「共助」に対する姿勢は、案外消極的なのである。

「共助」を忌避する日本人

上記の点について、各種意識調査のデータを基に確認していこう。イギリスのNPOであるCharities Aid Foundationが公表したWorld Giving Index 20181
というレポートでは、寄付やボランティアの頻度を基に世界各国の「共助」レベルのランキングが示されている。調査対象となった世界144カ国の中で、日本の順位は128位である。先進国として最低ランクに位置する。 同レポートの調査では、過去1ヶ月の間に、(1)困っている見知らぬ他者の手助けをした者の割合、(2)慈善団体に寄付した者の割合、(3)ボランティア活動に時間を割いた者の割合、が各国ごとに調べられている。日本の割合は、(1)=23%(世界142位)、(2)=18%(99位)、(3)=23%(56位)である。とくに(1)と(2)が他国と比べて低調といえる(図1)。

 図1 国際比較で見た日本人の慈善的行為
出所:World Giving Index 2018のデータを抜粋して筆者作成。

同様に、内閣府が2018年に実施した「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」2
では、日本を含む7カ国で13~29歳の若者を対象に「ボランティア活動に対する興味」の有無を尋ねているが、日本の若者のボランティア意欲は調査対象国の中で最も低いことが明らかとなっている(図2)。 図2 国際比較で見た日本の若者のボランティア活動に対する興味
出所:内閣府「令和元年版 子供・若者白書」のデータより筆者作成。

 筆者が共同研究者と共に2018年2月に実施した、18~79歳の日本人を対象とした意識調査(有効回答1528件)においても、「共助」に対する消極姿勢や忌避意識の強さが確認できる。

 寄付を年1回程度以上の頻度で行う者は全体の半数に満たない。ボランティアや献血については、約半数の者が過去に「経験(経験の記憶)がない」と答えている。それらに比べれば、道に迷っている人の道案内は、比較的取り組まれることは多いが、それでも頻繁に行っている者は少ない。

 他方、友人や会社関係の人々におごったり、金品を贈ったりする機会は、それなりにあるようだ。しかし、そういった他者に対する「贈与」は、顔見知りの狭い仲間内の範囲で行われることが多く、見知らぬ他者に対してまでは広がっていない(図3)。

 図3 「共助」活動の行動頻度
出所:坂本治也・秦正樹・梶原晶「政治と社会に関する調査」2018年2月。

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最終更新:9/12(木) 7:01
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