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オダギリジョーが語る、初長編監督作品『ある船頭の話』

9/13(金) 12:34配信

フィガロジャポン

オダギリジョーが10年前から温めていた構想を、初の長編監督として作品にしたのが『ある船頭の話』だ。『宵闇真珠』(2018年)で主演と監督という関係で現場をともにしたクリストファー・ドイルに背中を押してもらい、ようやくそれが実現した。撮影監督には特別な映像空間を作り上げることで知られるそのドイルが参加し、音楽はアルメニア出身のティグラン・ハマシアンが、衣装はアカデミー賞衣装デザイン賞を受賞したこともあるワダエミが担当。オダギリ作品にこの組み合わせだけでも心躍るが、細野晴臣を筆頭に船に乗る客に豪華キャストが登場し、強く印象に残る作品に仕上がった。オダギリ監督に話を聞いた。

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戦った末にできた作品、という印象が持てるものにしたかった。

――私はティグラン・ハマシアンさんの音楽がとても好きで、クリストファー・ドイルさんも昔から好きとあって、冒頭の素晴らしいロケーションから引き込まれていきました。すでに2回観たのですが、観るたびに深みの加わる映画でした。クレジットで編集のところにもオダギリさんの名前が載っていましたが、作業は大変だったのではないでしょうか?

オダギリジョー(以下O:)実はいちばん好きって言っていうくらい編集作業が好きなんです。だから、大変だとしても、絶対に自分でやりたいんですよね。

――脚本の構想は10年ほど前からあったそうですが、実際に撮るようになって、ロケ場所が決まるなどしてから、どこか変更した部分はありましたか?

O:いちばん大きかったのは、当初船頭の役は自分で演じるつもりで台本を書いていたので、設定が大きく変わりましたね。柄本(明)さんになった時点で、年齢を上げて書き換えました。

――なぜ変えたのですか?

O:いろんな理由があったんですけど、自分で演じるのをやめたのは、監督業に専念しないと乗り越えられないとも思いましたし、まずその姿勢がよくないんじゃないかと思って。かといって僕と同世代の方だと、仲間意識が出てきてしまい、甘えが生まれちゃうような気がして。ちょっと年齢を上げてでも、厳しい先輩と戦った末にできた作品なんだなっていう印象が持てるものにしたかったんです。

――そうすると、船頭と少女との関係性は大きく変わりますよね。

O:当初はどちらかというと、年齢も親子ぐらいの違いというのか、いい例かどうかはわからないですけど、『レオン』とか、ああいうものに近い物語でもあったんです。少女がちょっと背伸びをして船頭と一緒に生活を始めるみたいな、淡い少女の目線みたいなものも描いてはいたんですけど。でも柄本さんだと年が離れ過ぎて成立しない部分も出てきたので、描き方として事件性に重きを置く方向で書き換えていきました。

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最終更新:9/13(金) 12:34
フィガロジャポン

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