ここから本文です

「スーツ3着、靴は3足でいい」若きトップの服装哲学

9/13(金) 6:03配信

NIKKEI STYLE

《リーダーが語る 仕事の装い》モンブランジャパンCEO シャルル・ラングロワ氏(上)

 2018年4月にモンブランジャパンの最高経営責任者(CEO)に着任したシャルル・ラングロワ氏(39)がヘビーローテーションするのは3着のスーツと3足の靴だ。「スーパーハイクオリティー」と全幅の信頼を寄せるテーラーのスーツは体形の良さを引き出してくれる、完璧なデザイン。合わせる靴はクラフツマンシップが息づく3足だけだ。いつの時代にも通用する、クラシックなものを長く愛する。「靴を20足も持つ必要はないでしょう?」。高級ブランドの若きトップの揺るぎない服装哲学を聞いた。

【写真はこちら】モンブランジャパン、若きトップの服装哲学

■信頼する1人のテーラーのスーツしか着ない

――長身でグレーのスーツがお似合いですね。高級ブランドのトップとなると、仕事ではやはりスーツ一辺倒ですか。

「月曜日から木曜日まではクラシックなスーツと決めていて、金曜日だけは少しカジュアルにしています。最近のファッションブランドが次世代に向けて若々しいスタイルを打ち出したり、日本でオフィスでのカジュアル化が進んでいたりするので、金曜日だけはクラシックとカジュアルをミックスした装いを心がけています。ですが、私は流行が移ろうファッションは好きではなく、クラシックなものが好き。クラシックは永遠に続くものですから」

――スーツはいつもテーラーの仕立てですか。

「1950~60年代のクラシコイタリアが好みです。信頼するテーラー、オーストラリア人のイーサン・ニュートンさんの影響が大きいですね。私は日本に来る前はドイツ、その前は香港で仕事をしていました。イーサンと初めて会ったのは8年ほど前の香港。偶然なことに3年ほど前から彼は日本を拠点に仕事をしており、東京で再会しました。もう、彼のスーツ以外は考えられません。別のテーラーで以前仕立てたスーツを1~2着持っていますが、今はまず着ません。年中、イーサンの3着で仕事をしています。イーサンの仕立てた服はほかにジャケットを1枚持っています」

■変化を付けるのはシャツやネクタイで

――スーツは3着だけなのですか。

「はい。正確に言いますと、いま着ているライトグレーのスーツは軽いウールでシャークスキンと呼ばれる素材です。次にネイビーのもの。この2着は通年着られます。あと1着はダークグレーでカシミヤ入りですので秋冬用です。コートを着なくても暖かいんですよ。これだけあれば完璧です。変化を付けるのはシャツ、ネクタイ、ソックスで、いろいろ集めています。小物で遊ぶアクセサライズにはポジティブです。サスペンダーを合わせるスタイルもよくします。サスペンダーはスーツの色と合わせます」

――潔いですね。ほかのスーツを着たくないほど魅了されたイーサンさんの服は、何が違いますか。

「初めて着たときの自分の姿にびっくりしました。別のテーラーのスーツを着たときとは全然違ったのです。イーサンは私の体とプロポーションに合わせて形を整えていきます。そのデザインがコンプレックスを巧みに隠し、良さを強調してくれるのです。見てください(と、立ち上がる)。私はあまり肩が広くなく細身です。それを気にしてきたのですが、彼のスーツだとかえって美しく見えるんです。スーツにおいてパーフェクトルックとはこういうものなのだと分かりました。着る人の魅力を引き出してくれるところがテーラーの服の醍醐味ですよね」

――クラシックな手法で作られ、長年愛用できる完璧なスーツなのですね。

「イーサンは私のオンリーワンのテーラーです。情熱を持って30~50年代のクラシコイタリアの手仕事を磨いた人。世代が近く、伝統とクラフツマンシップを大切にするというビジョンが一緒です。彼の服が大好きですが、高額なのでたくさんは持てません。それでもすごくいい投資です。ずっと着られるように手入れをして、10年20年と着るつもりです」

――デザインの特徴は。

「伝統的な手法で作る、非常にフォーマルなスーツです。特徴的なのは上着のラペル。太くて、柔らかくて、流れがよい。まるで船の帆のようです。私はラペルがハードすぎたり堅かったりするのはあまり好きではありません。ウエストの位置は高めにして、スラックスの幅は少し太めにつくってもらいます。本当にいいスーツを着ると体形が変わりますよ」

1/2ページ

最終更新:9/13(金) 14:01
NIKKEI STYLE

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事