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万能装備じゃない! あえて人気のスライドドア車を選ばないほうがいいケースとは

9/13(金) 6:20配信

WEB CARTOP

高齢者にとってヒンジドアのほうが乗り降りしやすい場合も

 いまや日本市場におけるファミリーカーのメインストリームはスライドドアのミニバンになっている、といっても過言ではない。多人数乗車に対応でき、また後席の乗降時にドアを全開にできるというのは老若男女にメリットがある……ように思えるが、はたして実際にはどうなのだろうか。

【写真】バカ売れN-BOXのノウハウを注ぎ込んだ軽自動車

 おそらく多くのユーザーが誤解しているのは「スライドドアのミニバンは高齢者にやさしい(乗り降りしやすい)」ということだろう。たしかにリタイヤしたばかりの、まだまだ若々しさもある60代であれば、スライドドアのミニバンに乗り降りするのに苦労はないだろう。いまや後席の乗降を助けるアシストグリップは当たり前の装備となっているし、なんならオプションでステップをつけることもできる。しかし、スライドドアというのは、その構造からフロアが高くなり、座面も高い。そのため、動線としてはクルマに対してまっすぐに乗り、車内で向きを変えてシートに腰を下ろすというものになる。これは、ある程度の年齢を重ねた高齢者には厳しい動きとなる。

 個人差もあるので年齢を目安にすることは難しいが、後期高齢者と呼ばれる頃になると立つことよりも座ることが難しくなるのだ。また、足も高く上げるのは難しくなる。つまりスライドドアのミニバンは乗りづらくなる。むしろ、座面が適度に高いヒンジドアのクルマのほうが乗り降りしやすい。具体的にはスズキ・ワゴンRやホンダN-WGNといったハイトワゴン系の軽自動車が乗りやすのだ。こうしたクルマであれば高齢者と向かい合って体を支えて、乗り降りを介助しやすい。また、軽自動車であればドアを全開にしやすいというのもメリットになる。

手動の場合高齢者や子どもが開閉できない場合も

 いまやスライドドア車の多くが電動開閉式を採用しているが、低グレードや商用車では手動タイプも少なくない。こうしたクルマのスライドドアを開閉すれば体感できるが、非電動のスライドドアというのは意外に開閉に力が必要だ。小さな子供であれば勢いあまって転んでしまうこともあるだろうし、体を挟んでケガをしてしまう心配もある。家族のためにスライドドア車を選ぶのであれば、可能な限り左右とも電動タイプとしておきたい。

 電動タイプになるとリモコンのスイッチや、ドアノブの操作などで簡単にドアを開けることができる。つまり、大人の目が届かないところで、子供が勝手にクルマに乗り込むことができる。そのまま車内で熱中症になってしまうといったアクシデントも起きている。スライドドア車に限った話ではないが、クルマのキーは子供が持ちだせないようにキチンと管理しておきたい。

 最後に、スライドドア車を選ぼうというユーザーが意識しておきたいのは、ヒンジドア車との価格差だ。ドアを含むボディ以外のメカニズムがほとんど共通の軽自動車で比較してみよう。たとえば、ホンダN-BOXの価格帯は138万5640円~194万9400円(FF)、それに対してN-WGNの価格帯は127万4400円~166万3200円(FF)となっている。装備差などもあるので単純比較は難しいが、「Custom G・L ターボ」という同じ名前のグレードで比較するとN-WGNが166万3200円、N-BOXは189万5400円と20万円以上も異なるのだ。予算的にこの差を許容できるのであれば問題ないが、スライドドアの上乗せ分はけっして小さくはない。

 さらにいうと、N-BOXのNAエンジンの「L」グレードが149万9040円だが、同程度の予算感でいうとN-WGNであれば標準系の「Lターボ」グレードが150万1200円となっている。用途によっては、スライドドアのNAエンジン車にする予算で、ヒンジドアのターボ車を選んだほうが満足できるケースもあるだろう。なお、N-BOXの「L」グレードでは右側のスライドドアは手動式で、電動開閉タイプはメーカーオプションとなっている。

 スライドドアのメリットは書ききれないほどあるが、デメリットがないわけではない。しっかりと用途と予算を考えて、選ぶようにしてほしい。

※参考価格は消費税8%のもの

山本晋也

最終更新:9/13(金) 6:20
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