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「外に行くのが怖い」という在日二世。収まらぬ嫌韓報道にNPO団体が警鐘

9/13(金) 8:31配信

HARBOR BUSINESS Online

「嫌韓」を煽る報道や出版に危機感

 2019年9月12日、NGOなどの4つの団体が「マイノリティの人権と尊厳を傷つける『嫌韓』煽動に抗議する声明」を発表した。衆議院第二会館第一会議室にて行われた記者会見では、NPO法人「移住者と連帯する全国ネットワーク」らが、マスコミにおける嫌韓報道の広がりに懸念を表明した。

 最初に挨拶をした衆議院議員の初鹿明博氏は、「昨今のテレビやSNS上での書き込みを見ていても、日本の国はどこに向かっているのかな、日本人大丈夫なのかなと思うような報道や書き込みが溢れていて、非常に私も問題だなと思います」と話した。

 会見では、在日コリアン三世の女性が書いた手記も紹介された。「両親に表札を外すように連絡した。『金』と言う名前の表札を掲げていると、何かされるかもしれない。とても悲しい決断でした」

 在日コリアンが”何をされるかわからない”状況下で生きていることが伝わってくる。

広がるマスコミの嫌韓報道 誠実な報道を心がけて

 人種差別撤廃NGOネットワークの佐藤信行氏は、昨今の嫌韓報道の例として、TBS系の情報番組「ゴゴスマ」内で放送されたコメンテーターのヘイトと思われる発言や、週刊ポストの「韓国なんて要らない」の特集を挙げて、問題を指摘した。

 ヘイトスピーチ問題に取り組む師岡康子弁護士は、「在日コリアン2世の知り合いは、『外に行くのが怖い』と話す。『自分がコリアンだと分かったらどうしよう』と思い、病院で名前を呼ばれても立てなかったと話していた」と報告した。

 在日コリアンが日常生活でも恐怖を覚えるような社会。こうした状況を作り出してしまったことに対し、マスコミも責任を負っていると指摘した。

「差別をなくす報道をしてほしい。差別されて、苦しむ人がいるわけだから。日常生活で、ネット上で、日常で、店で、悪口を言っている人がいる。声をあげて社会を変えていく必要がある」(師岡康子)

ヘイトは韓国人の生活を恐怖に貶めていることを知ってほしい

「かながわみんとうれん」(民族差別と闘う神奈川連絡協議会)の事務局長で、在日二世の金秀一(キムスイル)さん。会見の2時間前に急きょ参加が決まり、衆議院第二会館に駆けつけた。昨今、韓国に対する嫌悪感が増しており、日本人と韓国人の間に亀裂が生まれていることを危惧しているという。

 70年代には、石を投げつけられるといった身体的暴力を受けることがあった。80年代には、日韓関係と日朝関係が悪化し、仲間外れにされたり、距離を置かれたりした。金秀一さんは、昔と同じことが今まさに起こるのではと懸念している。

「在日韓国人の中には、”殺されるかもしれない”と恐怖心を抱く人がいます。彼らが恐ろしさを抱かず生きていける世の中にするために、今日声明を出しました。

 なぜ日本人と在日韓国人が一緒に生きていけないのか。共に生きていくことが当たり前の世の中になるために、マスコミが冷静に報道をする必要がある。お互いの友情を築けるような情報を発信してほしい」(金秀一)

【板垣聡旨】
学生時代から取材活動を行い、ライター歴は5年目に突入。新卒1年目でフリーランスのライターをしている24歳。ミレニアル世代の社会問題に興味を持ち、新興メディアからオールドメディアといった幅広い媒体に、記事の寄稿・取材協力を行っている。

ハーバービジネスオンライン

最終更新:9/13(金) 8:31
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