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話題のアニメ映画『プロメア』を制作したトリガー社長が来阪! トークイベント&マサラ上映、熱い1日をレポート

9/13(金) 17:00配信

ウォーカープラス

5月24日(金)から公開され今なおロングランし人気を博しているアニメーション映画『プロメア』。9月7日(土)大阪・天神橋筋六丁目のブックカフェバー『ワイルドバンチ』で同作を手がけたアニメ制作会社・トリガー代表取締役社長の大塚雅彦が登壇するトークイベントを開催された。

登壇した大塚雅彦

さらに、『天元突破グレンラガン』『キルラキル』などに参加したアニメーターの吉田 徹、尼崎の映画館・塚口サンサン劇場で『プロメア』のファンアートを展示しているイラストレーターのカズ・オオモリも参加。また、同日塚口サンサン劇場では『プロメア』の特別音響マサラ上映も実施されこちらも賑わいを見せた。

イベントでは『プロメア』の濃いファンが多数参加。なかには本作を50回も劇場で鑑賞したという者もいて、大塚も「僕もそんなに観てない」と驚きを隠せない様子。大塚自身も2、3回は想定範囲だったが「まさか10回以上観に来られるとは想像もしてなかった」と打ち明ける。

はじめに大塚の経歴を振り返ることとでイベントがスタート。大阪芸術大学在籍時に遡り「当時はアニメの業界に携わることを想像してなかった」と語る大塚。自身で絵が描けないということ、元々は『スター・ウォーズ』に影響され実写映画の仕事をしたいという思いがあったのだという。卒業後も実写で助監督をしていた大塚はある時、大学仲間から「スタジオジブリで人を探してる」と紹介され「宮崎駿さんに会いたいな」という軽い気持ちで面接をしたと打ち明ける。

そんな縁でスタジオジブリに入社した大塚は『平成狸合戦ぽんぽこ』『耳をすませば』の2作に監督助手として参加、高畑勲や近藤喜文監督の下で映画の資料を集めることが業務だったという。「エンタメ好きな自分からすると、宮崎さんが作る映画の方が好きだった」と話すが、アニメーターとしての圧倒的な速さと画力を持つ宮崎駿の元で仕事をしなくてよかったと改めて思うのだという。「絵が描けるかということがヒエラルキーになる業界、ましてやそのトップが集まるスタジオジブリで絵が描けないのに高畑さんは監督をしている」とその姿を目の当たりにして大塚はアニメ業界に進む動機に繋がったのだと話した。

その後、テレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の演出助手として参加したのち、ガイナックスに所属、庵野秀明作品に多く携わるようになったという。その庵野が『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』を作るにあたりガイナックスを去ってしまったことから、ガイナックスに残った大塚らで『天元突破グレンラガン』を作ることになったと話す。この時に現在のトリガーの社員がほとんど集まり、現在観客が思う「トリガーらしさ」もこの時に生まれたのだと話す。

大塚は『天元突破グレンラガン』では監督の今石洋之に何をしたいのかという質問をしたところ「ドリル」という回答が返ってきたため驚いたというが、脚本の中島かずきにパスすると、そこから『螺旋力』という言葉を考え出してくれて作品としての見通しが立ったという。「中島さんはどんな球を投げてもちゃんと返してくれる」とその言葉から『DNA』『進化』『少年の成長』など作品の根底となるものが広がっていったのと話した。

それから『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』を手掛ける大塚。しかし、ガイナックスの旅行で提案されたノリで決まったような企画で「普通通さないような企画まで通してくれる会社だった。このまま会社に甘えていたらダメになる」と危惧し、自身でアニメ制作会社を立ち上げたのだという。大塚は「トリガーは今石作品をどうするか」というのが始まりだと言い、また宮崎駿、庵野秀明のようなカリスマ、作家性の強い監督のもとに作られたアニメスタジオは後継者問題に悩まされていると語り「次の次ぐらいまでの世代の新たな監督を育てる」ことがトリガーの裏のテーマだという。

またイベント後半では吉田徹、カズ・オオモリもトークに参加。オオモリは「アニメを観る側として本当はここ(登壇席)じゃない」と照れながら答え『プロメア』との出会いを回想。たまたま映画館でポスターを見たときに「配色、キャラのデザインなんかが日本のアニメっぽくない」とずっと心に何かが引っ掛かっていたという。公開後、いざ鑑賞してみると「観たことのない演出、スピード感があってアトラクションに乗っているよう」と興奮したのだという。帰宅してからも興奮が冷めず「描きたくて仕方なかった」と気付けば『プロメア』の落書きを描いていったのだと語る。

吉田も『プロメア』を未鑑賞だと告白、オオモリの話を受けて「今晩の上映が初見で、僕もおそらく帰ったら絵描くでしょう」と笑いを誘う。大塚もアニメスタッフあるあるとして「なかなかアニメを観ることができない」と話し、「好きで入ったはずなのに」と業界の実情を打ち明けた。

また過酷なアニメ制作の現場を語る吉田は「アニメは『動き』を見せていくものなので、それに目を光らせてきちんと分析、観察しなければならない。そして観察できないものを描く想像力。また諸先輩方の絵を吸収する力がいる」と求められる力が多いのだという。そんな大変な現場で辞めたくなる人もいるなか吉田は「1つの作品が終わって、打ち上げに参加しなさい」と呼びかけているのだという。「打ち上げで仲間内に褒められて、そこで初めて『よかった』と思える。だからまずは1クール(3ヶ月)は我慢してほしい」と語る。

大塚は「まずは自分が面白い、カッコいいと思ったことを持っていかないと、自分自身がファンにならないといけない」と作品を作る上で重要だと話し、そういうスタッフがいることがトリガーの強みなのだという。「制作現場では辛いこともあるが、完成したものを観ると苦労に報いるような作品になっている。楽には作れないがその分の成果を出せているのでは」と語った。

また同日、尼崎の塚口サンサン劇場では『プロメア』の劇場お馴染みのマサラ上映が行われ、賑わいを見せる。上映開始前からキャラクターのコスプレ姿の気合いの入った観客が来場。お互いに親睦を深めたり、マサラ上映のための準備で共有しあう様子が伺えた。

上映が開始されると前説で映画館のスタッフ自らがコスプレし登場。「カッコよくなくちゃあいけない野暮で無粋な真似をするもんじゃあねえ」と主人公・ガロになりきり劇場の支配人が鑑賞にあたっての注意事項を説明。劇中で登場する印象的な必殺技「滅殺開墾ビーム」の掛け声のもとクラッカーが一斉に鳴らされマサラ上映が開幕した。上映中はクラッカーや紙吹雪が舞いお祭り状態。特にクラッカー音は最後まで鳴り続け、銃が撃たれたり、爆発するシーンでは使われ作品の臨場感に合わせ効果的に使われた。

上映後観客の中には「本当に最高の応援で120パーセント出し切りました」「マサラは初だったんですけどよかった。また『プロメア』のマサラ上映を開催してほしい」と大満足だったという声が聞かれた。

塚口サンサン劇場では9月19日(木)まで『特別音響上映』『応援上映』が行われる。(関西ウォーカー・桜井賢太郎)

最終更新:9/13(金) 17:00
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