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介護した義父の遺産、もらえる? 認定のハードル高く

9/14(土) 7:47配信

NIKKEI STYLE

Case:63 私は長男の嫁として結婚以来、義理の父と同居してきました。義母は早くに他界。義父は10年前に脳梗塞で倒れ、認知症にもなったため、義父の介護はずっと私がしてきました。先日、その義父が亡くなりました。私の夫は義父より先に他界しています。私は義父の相続人ではないので、遺産をもらえないのでしょうか。

■配偶者らの不平等の解消が目的

病気療養の被相続人を介護するなど、被相続人の財産の維持または増加に特別の寄与をした者がいるとき、この寄与を考慮して相続分を算定する「寄与分」という制度があります(Case:21「介護した分、財産もらえるの? 相続の不公平どう調整」参照)。
しかし、寄与分は相続人にしか認められていません。夫がまだ生きていて、相続人になっているのであれば、遺産分割の中で「夫の寄与分」として妻の貢献を考慮するのが一般的な実務の取り扱いです。
ところが、相談のケースのように夫に先立たれた妻は義父の相続人ではないし、「夫の寄与分」を主張することもできません。長年、被相続人を献身的に介護してきた相続人の配偶者らの不平等な立場を解消するため、相続人でない親族でも金銭の支払いを請求できる「特別寄与料制度」が新たに導入され、2019年7月からすでに施行されています。

■まず相続人に特別寄与料を請求

特別寄与料の請求が認められるには(1)相続人以外の親族(6親等内の血族と3親等内の姻族)が(2)相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたこと(3)それにより被相続人の財産が維持または増加したことが要件となります。

「親族」でなければなりませんので、相続開始前に離婚した人、配偶者の死後に姻族関係終了届(いわゆる「死後離婚」)を出した人はすでに姻族ではなくなってしまっているため、この請求をすることができないので注意が必要です。

■協議がととのわない場合は家裁に

特別寄与料の権利行使は、まず介護をした嫁などの特別寄与者が相続人に対し、特別寄与料を請求し、協議します。当事者間で協議がととのわない場合には、特別寄与者は家庭裁判所に「協議に代わる処分」を請求することができます。
家裁は寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額などの事情を考慮して、特別寄与料の額を決めることになります。
なお、特別寄与者は相続人に対して金銭の請求ができるだけで、自身が相続人になるわけではないので、相続人間の遺産分割調停などには参加できません。

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最終更新:9/14(土) 7:47
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