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アップルを「世界初の1兆ドル企業」に押し上げた現CEO…その知られざる“実力”

9/14(土) 6:05配信

PHP Online 衆知

2011年、ティム・クックがアップル社のCEOに就任した。スティーブ・ジョブズという革新的でカリスマに溢れたリーダーの死は、計り知れない悪影響を及ぼすだろうと、誰もが予想していた。

競合相手のアンドロイドの凄まじい追い上げや、ジョブズを失った後の製品開発に対する不安から、クックはまるで沈むのが分かっている船の舵を任されたようだった。

しかし結果として、彼が主導権を握ってから8年余りで、アップルは世界初の1兆ドル企業までのし上がったのである。

クックがCEOとなってからのアップルは、多くの部門で競合相手を圧倒している。iPhoneは10年間で12億台以上を売り上げ、モバイル業界全体の80%もの利益を独占している。

またコンピューター部門でも成功をおさめており、他の企業がスマートフォンやタブレットに顧客を奪われて伸び悩む中で、アップルは着実にシェアを拡大している。

これほどの成功を収めたティム・クックとは、いかなる人物なのか? そして何をしてきたのか? ここではクックの半生を追跡した書籍『ティム・クック アップルをさらなる高みへと押し上げた天才』より、なぜジョブズがティムを後継者に指名したのかに触れた一節を紹介したい。

※本稿はリーアンダー・ケイニー著、堤沙織訳『ティム・クック』(SBクリエイティブ刊)より一部抜粋・編集したものです。

ジョブズの死後、コピーではないクックならではのスタイルを決意する

2011年8月11日、ティム・クックは自分の人生を変えることになる1本の電話を受ける。相手はスティーブ・ジョブズで、クックは彼の自宅へ向かった。到着すると、ジョブズは彼にアップルのCEOになってほしいと頼んだ。

この時のジョブズは、すい臓がんの治療から快方に向かっており、自分はCEOの座から退き、役員会の会長に就任するという計画だった。2人とも、この時はまだジョブズがどれだけ死に近づいているかを知らず、これからの展望について熱心に語り合った。

そのたった数か月後、ジョブズの死の知らせが世界中を震撼させた。クックがCEOに就任してから1カ月後のことだった。そしてジョブズの死に関する報道が一段落すると、世間の目は瞬く間にクックに向けられた。彼は公の場に姿を現したことがほとんどなかったため、CEOとしてどのように仕事をしていくのか誰にも分からず、ただ不信感だけが漂っていた。

ソニーやディズニーなどの多くの大企業が、優れたリーダーを失った後で壁にぶつかっていたため、アップルも同じ道をたどるだろうと批評家たちは予想していた。

しかしクック自身は、ジョブズの代わりになるのではなく、ただ自分にできることをやろうとしていた。

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最終更新:9/14(土) 6:05
PHP Online 衆知

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