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サラリーマンの不動産投資に「木造アパート」が多いワケ

9/14(土) 13:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

広がる格差、上がらない給与、生命保険や家のローンに子どもの教育費…。働けど働けど出費が増え、将来に対するお金の心配も拭えないサラリーマンたち。そんな彼らの不安を狙って不動産投資をすすめる業者が増えています。特にアパート経営の場合は、サラリーマンの場合は融資がつきやすいため、誘われたことがある人も多いのではないでしょうか。では、実際に「やってみようかな…」と興味を持った場合、アパート経営がうまくいくかどうかを見極める点は、どこにあるのでしょう。本記事では、「アパートの構造」という観点から見ていきます。

「アパート」と一言でいってもその種類は様々

アパート経営をする場合、どのようなタイプの物件を選べばよいのか? 構造に関しては大きく分けて次の3タイプがあります。

●RC造

ここで紹介する3つの構造の中では、もっとも建築費が高額になる。建築費の目安は、1ルーム9戸物件で9000万円以上。見た目にもしっかりとした構造となり、躯体の耐用年数は最も長い。プレミアム感があり、遮音性も高いので家賃も高めに設定できる。間取りも広めに設定し、新婚夫婦や高所得者向けのものとなることが多い。

●鉄骨造

建築費は木造よりも高め。建築費の目安は、1ルーム9戸物件で7000万円前後(鉄骨には「軽量鉄骨」と「重量鉄骨」があるが、どちらも価格はほとんど変わらない)。その分木造よりも若干家賃を高めに設定できる。東京近郊の家賃相場で、立地・間取り・築年数など同条件での木造との差額は5000~20000円程度。

●木造

もっとも安価で建築可能な構造。建築費の目安は、1ルーム9戸の3階建て物件で5000万円前後。他の構造と比べ単身者向けなどが多いので、家賃は比較的安価になる。

このように書くと、家賃を高く設定できるRC造がいいと思うかもしれません。しかし、アパート経営で一番重要なのは収益性。いくら家賃相場が高めでも、入居者がいなければ意味がありません。

そもそもRC造は、家賃が割高なので法人と富裕層がターゲットとなります。法人契約の場合は、社員寮代わりに借り上げるので入居者の負担が少なく、多少家賃が割高でもニーズがあるのです。

ところが最近はそのような家賃補助を出すような景気のいい会社が減りました。法人の契約件数は縮小傾向にあります。景気の影響は富裕層に関しても同じで、やはり契約件数は減っています。

また、RC造のアパートは、強力な競合相手がいる可能性が高いこともネックとなります。RC造は、四角い形(陸屋根)のいわゆるマンションタイプです。実はこのような物件は、資金が潤沢にある不動産投資ファンドが運営しているケースが多いのです。

不動産投資ファンドは、投資家から資金を集め、さらに銀行からお金を借りて3億円から4億円で1棟あたり20戸以上の物件を建てます。タイル張りの外装にオートロック付き。まるで分譲マンションのような立派な建物です。さらに投資家から出資してもらい、大量の広告を打ちます。

2000年代前半は、利回りの高い東京、大阪、名古屋の都心部を中心に展開していましたが、リーマンショック前に飽和状態になり千葉駅周辺など地方都市にも進出してきました。

建築してしばらくは満室状態が続いたようですが、景気が悪化した現在は当然大苦戦しています。千葉駅周辺の物件は、当初8万円だった家賃が7万円になり、最近は6万円強。20%のダウンといった状況です。

このように最高グレードの物件は、景気に左右されやすいといえます。また、同物件を好む富裕層は、ほかに魅力的な物件があれば、すぐに引っ越す傾向があります。つまり陳腐化のスピードも早いのです。

ところが運営する不動産投資ファンドはプロ。そのようなことは見越しています。陳腐化が目立つ前に売却するのです。その利益で銀行にお金を返し、余った分は次の物件開発へ。損をするのは投資家だけです。もし、皆さんがRC造の建物を所有したら、このようなプロ中のプロが所有する豪華物件と勝負しなければなりません。当然入居者の募集は難しいでしょう。

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最終更新:9/14(土) 13:00
幻冬舎ゴールドオンライン

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